「結婚や妊娠・出産を機に保険を見直す話はよく聞くけど、転職したときにも保険を見直さないといけないの?」
「そんなに何回も見直していられない」
と思っていませんか?
しかし実は、転職は保険の見直しに最適なタイミングです。なぜなら、転職すると会社の社会保険と福利厚生・退職金制度が変わるから。受けられる保障が変わることで、民間の保険の必要保障額も変わってくるのです。
今回は、転職した際の保険見直し方法を解説していきます。
転職したら保険の見直しは必要?
転職したら、会社で加入する社会保険や福利厚生・退職金制度などの内容が変わります。
そのため、転職先の社会保険や福利厚生などの内容によっては、民間の保険はもう不要という状態になるかもしれません。逆に「退職金の額が減ってしまった」「健康保険の保障内容が変わった」などの理由によって、自助努力としての保険が必要になる場合もあるでしょう。
社会保険や福利厚生、退職金制度は会社によって大きく違います。転職先によって保障が十分になることもあれば、不十分になることもあるのです。したがって、転職時は社会保険や福利厚生を補完する民間の保険もあわせて見直しする必要があります。たとえ面倒でも、転職したらまず保険を見直すようにしてください。
転職時の保険見直し方法
ここからは、転職時の保険見直し方法を解説していきます。
まず転職時にチェックしてほしいポイントは、会社の社会保険制度です。詳しく見ていきましょう。
1.【公的保障】転職先の社会保険を確認しよう
会社員の場合、会社で加入できる社会保険は以下のとおりです。
<社会保険の種類>
- 公的医療保険(健康保険):病気やケガの保障
- 公的介護保険:介護の保障
- 労災保険:業務上・通勤途中の病気やケガの保障
- 公的年金:老後にもらえる「老齢年金」、遺族のための「遺族年金」、障がいを負ったときの「障害年金」など
- 雇用保険:失業時の保障
上記のうち、会社員から会社員への転職で大きく変わるのは公的医療保険(健康保険)です。
会社員が加入する公的医療保険は、主に中小企業が加入する「協会けんぽ(全国健康保険協会)」と大企業が加入する「組合健保(組合管掌健康保険)」の2つ。
後者の組合健保では付加給付と呼ばれる制度があるため、高額療養費制度による自己負担額が他の健康保険よりも少なくなっています。
つまり、組合健保の加入者は協会けんぽの加入者よりも手厚い医療保障を受けられるということです。
このように、転職で仕事が変われば受けられる公的保障が変わります。
会社員から自営業やフリーランスに転身した場合も同様で、会社員時代より受けられる保障が少ないことに驚くでしょう。仕事を変えたときは、公的保障の内容を確認することが大切です。
2.【福利厚生】転職先の福利厚生・退職金制度を確認しよう
公的保障を確認したら、次は会社の福利厚生と退職金制度を確認しましょう。福利厚生は会社によって導入されている内容が異なりますが、主な例は以下のとおりです。
<福利厚生・退職金制度の一例>
- 慶弔・災害系の手当:結婚祝い金、災害見舞金など
- 家族関連の手当:配偶者や子どもの人数に応じた手当など
- 住宅関連の手当:家賃・住宅ローン補助や社宅提供など
- 食費や書籍購入、資格取得費などの補助費
- 貯蓄制度:財形貯蓄制度や持ち株会の実施、社内預金制度など
- 退職金制度:確定給付企業年金や確定拠出企業年金制度などを用いた退職金制度
こうした制度の有無や内容は、毎月の手取り収入を大きく左右します。退職金制度も会社によって導入されている内容が異なるため、転職を機に大きく増えたり、逆に減ったりしてしまうこともあるでしょう。今後のライフプランにも大きく関わってくるため、転職後はしっかり内容を確認することが大切です。
3.【民間保険】保険の見直しチェックポイント
これまで確認してきた会社の社会保険(公的保障)や福利厚生・退職金制度の内容によっては、民間の保険を見直しする必要があります。
特に転職で保険の見直しが必要になるのは、以下のケースです。
・公的医療保険の種類が変わった⇒医療保険の見直しが必要
∟「健保組合」から「協会けんぽ」になった
∟会社員から自営業になった(あるいはその逆)
・公的年金の種類が変わった⇒老後資金のための保険の見直しが必要
∟会社員から自営業になって「厚生年金」から「国民年金」になった(あるいはその逆)
・福利厚生の内容が変わった⇒資産形成となる保険の見直しが必要
∟各種手当が減った(あるいは増えた)
∟退職金制度が変わり、見込み額が減った(あるいは増えた)
特に公的医療保険においては、会社を一定期間休んだときに受け取れる「傷病手当金」の有無と、会社独自の「付加給付」の有無を確認しましょう。
関連記事:「会社員の強い味方「傷病手当金」とは?支給要件と注意点を解説」
傷病手当金や、付加給付による高額療養費制度の補助があれば、病気やケガの保障はかなり手厚くなります。人によっては、民間の医療保険そのものが不要になることもあるでしょう。また、会社の退職金制度もよく確認しておきましょう。退職金は老後の生活を支える大きな資金源です。将来もらえる金額によっては、自助努力による老後資金の備えが必要になるかもしれません。
転職先によって受けられる保障は大きく異なります。上記を参考に、今後の人生に必要な備えは何かを見直してみてください。
まとめ
転職したら、会社で加入する社会保険の種類が変わります。また、会社で受けられる福利厚生や将来の退職金制度も変わります。たとえ給与条件が同じ会社でも、こうした社会保険や福利厚生の内容によって得られる保障は異なるため、将来の資産形成にも大きな影響があるのです。
そのため、転職したらまず「自分はどんな保障を受けられるのか」を確認してみてください。まずは公的保障である社会保険、次に福利厚生と退職金制度を確認し、自身に不足する保障は何かを見てみましょう。
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