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「脳の疲れには甘いもの」と聞くけれど……それってホント?

長く常識だと思われていた「脳を働かせるのは糖質」という常識は変わった⁉

 

仕事や家事で疲れたときは甘いものを食べるに限る!という人、多いのではないでしょうか。

脳のエネルギー源は糖質であることは確かですが、「疲れたときに甘いものを摂取するのが良い」という常識が、なんだか変わりつつあるようです。

 

 

疲れたとき、なぜ甘いものが欲しくなるの?

 

糖質は私たちが活動するためのエネルギー源であると同時に、脳は糖質の中でもブドウ糖のみをエネルギー源としています。なぜなら糖質以外の三大栄養素である、脂質やたんぱく質はのうの血液脳関門を通過しないため、脳のエネルギー源にはなり得ないのです。しかし、長い間私たちの間で知られてきた「脳のエネルギー源は糖質」という常識が、大きく変わろうとしています。

 

では、まず体内で糖質が不足した状態で、糖質を補給できない場合、身体の中ではどんな変化が起こるのでしょうか。糖質が不足すると、肝細胞の中で脂肪酸を燃焼することで、「ケトン体」を作り出します。このケトン体という物質は、細胞膜や血液脳関門を通過し、さらに代謝されることで脳やさまざまな臓器のエネルギー源となります。これは、人類が、飢餓など命の危険にさらされた時代を長く生きてきた、進化の歴史の中に理由があります。人の細胞は、糖質が少ない状況でも、アミノ酸(脂質やたんぱく質)を燃焼することでエネルギ―に換える仕組みを獲得し、このような危機を乗り越えることができるようになったのです。

「疲れたときには、甘いものを」とよく言いますが、これは糖質が消化吸収されやすく、体内で速やかに代謝される、というエネルギー供給のスピードの速さが関係しています。即座にエネルギーを補給したいときは、糖質を摂取すれば即座に脳を元気にして働かせることができるというわけです。これは逆に言えば、疲れた脳は、早く疲労回復したいために、糖質をふくむ炭水化物や糖分を欲しがっている、ということです。

 

 

「脳のエネルギー源には糖質が一番」という常識は本当?

 

速やかに脳のエネルギー源となってくれる糖質ですが、過剰に摂取すると身体にとって害となってしまいます。糖質の過剰摂取は肥満や糖尿病のリスクを高めるからです。

また、ひと昔前と比べて、日本人の食生活は糖質の多い食べ物が豊富にあふれるようになりました。そのため、私たちはそのような食べ物で手軽に脳を満足させることが、当たり前になってしまっているのです。

 

しかし、糖質を多く摂取することは脳内に「活性酸素」を増やすことに繋がってしまいます。活性酸素とは、本来ならば体内に侵入した細菌やウィルスを退治するといった良い働きをしますが、増え過ぎると身体に悪影響をおよぼすこともあるのです。

短期的に見ると、糖質は脳の疲労回復に役立っているように思えますが、長期的になると・・・脳を疲れやすくしてしまっている、とも考えられるのです。

 

 

甘いもの好きはアルツハイマーのリスクを高める?

 

 

甘いものの弊害は肥満や糖尿病など生活習慣病だけではありません。近年、老化が原因である病気のひとつ、アルツハイマー病のリスクをも高めることが分かってきました。

認知症の中でも患者数の多いアルツハイマー病は、脳細胞の萎縮などによって記憶障害や判断力の低下を引き起こす病気です。神経細胞のネットワークが脳内のたんぱく質のゴミによって壊されることで発症しますが、このたんぱく質のゴミ生産に大きく関わっているのが活性酸素なのです。

 

糖を多く含む食品であっても、食物繊維が豊富であれば、腸での消化吸収がゆるやかになり、脳細胞のダメージは少なく済みます。注意が必要なのは白い炭水化物や砂糖、お菓子類で、このように食物繊維が少ない食べ物は活性酸素を発生しやすくします。

白いパンやご飯、お菓子が大好きな人ほど脳細胞が劣化しやすく、結果アルツハイマーのリスクを高めることになるのです。

 

 

まとめ:甘いものはほどほどに…

疲れたときの甘いものは心身ともに満たされるものですが、糖質に頼り過ぎないこと、糖質を食べるときは食べ過ぎに注意をすること、また食べる食品をしっかりと選ぶこと、が大切でしょう。

 

 

 

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