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「リタイア前にやっておけばよかった」後悔の声が多いのはお金・健康・趣味

定年退職を迎えた後はどのような生活になるか考えたことはあるでしょうか。

 

日本人の平均寿命は男性が約82歳、女性が約88歳といわれており、リタイア後には20年以上に渡る「老後」の時間が待っています。自由な時間がやってくると喜びを感じる人がいる一方、老後への備えをしておけばよかったと後悔する声も少なくありません。

はたしてリタイア後の生活の中で、どのような点に後悔が生まれるのでしょうか。

 

今回はリタイア後に感じやすい後悔と、後悔しないための対策についてご紹介します。

後悔1:貯金・投資しておけばよかった

 

定年退職後に直面する大きな問題が生活資金不足です。定年後に受け取る年金は、原則として定年退職前の給与よりも低額です。そのため年金だけでは生活水準を維持できず、老後資金といわれる取り崩しながら生活するための貯蓄が必要と考えられます。

 

2019年に金融庁が公表した市場ワーキング・グループの報告書によれば、老後20年で1,300万円、30年間で2,000万円の資金が不足すると試算されています。

これは不足する生活費が毎月5.5万円程度であった場合に必要な資金として算出されており、臨時の出費は考慮されていません。老後には住み続ける自宅の改修費用や介護費用などの大きな出費も予想されるため、さらに高額の貯蓄が必要であると考えられます。

 

老後資金に必要な金額が試算される一方、実際に老後を迎えた人はそれだけの貯蓄があるのでしょうか。

金融広報中央委員会の発表によると、60代世帯の貯蓄額の中央値は810万円となりました。この金額は、多くの世帯がすでに退職金を受け取った後の貯蓄額が対象となっています。この調査結果から、老後の生活に十分な資金を確保できている世帯は非常に少ないことがうかがえます。

 

 

月6万円を20年投資できれば約2,000万円に

十分な老後資金を確保するためには、働き盛りである30~40代のうちから進める計画的な貯蓄が望まれます。一見途方もない金額に見える2,000万円という数字も、長期間での準備を前提にすれば、それほど難しいものではありません。

 

老後資金の確保を目指すなら、長期の積立投資がおすすめです。仮に毎月6万円を年利3%の投資信託に積立投資した場合、20年後には約1,970万円とう大きな額になります。この毎月6万円を投資ではなく貯金した場合には1,440万円になり、老後資金に約530万円の差が生まれます。

 

また、つみたてNISAの枠内で運用すれば、毎年40万円までは非課税となるため、運用益に課せられる約20%の税金を支払う必要がありません。

さらにiDeCoを活用すればリタイア後に受け取れる年金額を積み増しできるうえ、投資額が所得控除の対象となるため、積立期間中に支払う税金が安くなります。これらの税制面で優遇された制度を上手に活用すれば、効率的に老後資金の確保がしやすくなるでしょう。

 

 

後悔2: 歯のメンテナナンスをしっかりやっておくべきだった

 

老後に向けた課題のひとつとして挙げられる「健康維持」。その中でも特に歯の維持は、人生の楽しみにも繋がる大きな問題として考えられています。

歯の本数は、食事の味を楽しむために必要な要素のひとつです。過去の調査によれば、歯が20本以上残っている人に比べ、19本以下の人は食べ物をおいしいと感じる割合が半分以下になるという結果になりました。

 

実際に総入れ歯になってから「何を食べてもおいしくない」と食事がつまらなくなってしまい、老け込むのが早まってしまったという事例もあります。歯を残し、食事を楽しみ続けるためにも、若いころから歯のメンテナンスはしっかりと行っておく必要があるでしょう。

 

健康な歯はセルフケアと定期検診の積み重ね

健康な歯を保つ方法に近道はありません。毎日のセルフケアと定期的な検診による虫歯の早期発見が、自前の歯を長く保たせる秘訣です。

 

セルフケアの基本は、毎日の歯磨きにあります。1日に磨かなければいけない回数に厳密な決まりはありませんが、虫歯や歯周病を防ぐなら1日2回の歯磨きは最低限必要です。

ただし、加齢と共に歯の表面を覆うエナメル質が薄くなり、歯の耐久性は徐々に弱くなっていきます。歯を磨きすぎた結果エナメル質を傷つけてしまい虫歯の原因になる場合もありますので、朝晩はしっかりと磨きつつ、日中は液体歯磨きで口をゆすぐ程度のケアを織り交ぜるのもよいでしょう。

 

また、定期的な検診も歯の寿命を延ばすには有効な対策です。どんなに丁寧に歯磨きをしていても、細かい歯垢が固まり歯石がたまってしまうのは防ぎきれません。歯石がたまると汚れが残りやすくなり、虫歯の原因となる細菌が繁殖しやすくなってしまいます。

 

また、ざらざらとした舌障りがストレスとなり、食事の楽しみが削がれてしまうことも。半年に一度程度の検診で虫歯のチェックをしてもらうのと同時に、たまった歯石をきれいに取ってもらいましょう。

 

 

後悔3: 趣味(ライフワーク)を見つけておけばよかった

 

定年退職により毎日の会社勤めから解放された結果、やることが見つからなくなったという人は決して少なくありません。余りある時間の使い方がわからなくなった結果、家の中に何もしないまま引きこもってしまい、パートナーから邪魔者扱いされてしまったという人も多いでしょう。

さらには仕事で使っていた頭や体を持て余してしまい、家の中に引きこもったまま認知症が発症してしまうというケースもあります。

 

定年退職後の時間を持て余してしまう大きな理由に、在職中に会社と家庭以外の時間を作らなかったことが挙げられます。普段の生活から離れた趣味や習い事の時間があれば、定年退職後にやることが無いといった状態は避けやすくなるでしょう。

 

自分にあった趣味で繋がるコミュニティを持とう

定年退職後に打ち込める趣味の存在は、自分自身の精神的・肉体的な健康に直結します。何かに打ち込める時間は気持ちを若々しく保ち、また趣味の上達を目指す行動は心身に良い刺激を与えてくれます。

インドアとアウトドア、どちらか一方の趣味が優れているといった差はありませんので、自分の性格や好みにあった趣味を選ぶとよいでしょう。

 

また、趣味を通じて交流できる仲間の存在も、リタイア後の生活を大いに充実させてくれます。毎日会社と家庭の往復だけだった人が定年退職をすると、居場所が家庭にしかなくなってしまいます。

 

会社で同僚や部下と行っていたコミュニケーションをパートナーに求めてしまった結果、パートナーとの関係が悪化してしまうことも。趣味を一緒に楽しめる仲間がいるコミュニティがあれば、家庭にしか居場所がないという閉塞感がなくなり、精神的にも余裕が生まれます。

さらには仲間との交流が刺激となり、新たなチャレンジに向かう気力や体力が生まれてくるでしょう。

 

 

まとめ

30~40代の働き盛り世代は、リタイア後の生活について考える機会は少ないでしょう。しかし、何の準備もしないままリタイア後の時間を迎えてしまうと、想像していたよりもあらゆる面で不自由な思いをしてしまうかもしれません。

 

リタイア後に直面する問題には、主に「生活資金」「健康」「余暇の過ごし方」が挙げられます。定年退職後にこれらの問題で悩まないよう、働き盛りのうちから対策を進めておきましょう。また、老後の後悔を防ぐ方法については以下の記事でも紹介しています。あわせて、参考にしてみてください。

 

 

続けてご覧になっていただきたい記事はこちら:

元銀行員が語る、老後破綻予備軍のお金の使い方とは?

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