住宅購入の際は、貯蓄や住宅ローン、親からの贈与など、あらゆる手段で資金を用意する人が多いのではないでしょうか。
その際は、国の「住宅取得支援制度」について確認しておくことをおすすめします。
本記事では、住宅購入がお得になる3つの住宅取得支援制度について、内容や条件などを詳しく解説します。
住宅取得にかかる費用の平均は「約3,000~4,500万円」
国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』によると、住宅購入にかかった費用の平均は、土地の購入を含む新築注文住宅が4,606万円、建て替えが平均3,055万円、分譲戸建住宅が平均3,826万円、分譲マンションが4,639万円でした。
これだけの費用を集めることに、大きな負担を感じる人は少なくありません。
そこで利用したいのが、住宅取得にかかる経済的な負担を軽減できる「住宅取得支援制度」です。住宅支援制度には、次の3つがあります。
- 住宅ローン減税
- すまい給付金
- 住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置
※「グリーン住宅ポイント」という制度もありましたが、2022年5月時点ではすでに終了しています。
各制度の内容や適用条件などについて、詳しく見ていきましょう。
所得税・住民税を抑えられる「住宅ローン減税」
住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して住宅の取得や増改築をした際に、最大13年間にわたり年末のローン残高の0.7%(最大40万円)を所得から控除する制度です。
例えば、年末のローン残高が約5,714万円の場合、約40万円の所得控除を受けられます。
適用の対象は2021年12月31日までの入居分でしたが、2021年の税制改正で2025年12月31日に延長されました。また、住宅の床面積の要件も50平方メートル以上から40平方メートル以上に緩和されています(合計所得金額1,000万円以下に限る)。
なお、新築・中古、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅など、住宅の分類に応じて控除額の上限や適用期間などが異なるため、利用の際は専門家から詳しい説明を受けることが大切です。
住宅ローン減税は、住宅購入後から一定期間における所得税・住民税を軽減できる制度のため、住宅購入時の金銭的負担を直接抑えられるわけではありません。しかしながら、長年にわたり所得税・住民税を軽減できることは大きなメリットと言えるでしょう。
給付金を受け取れる「すまい給付金」
すまい給付金とは、一定期間内に住宅を購入した場合、収入や持分割合に応じて10万円~最大50万円の給付金を受け取れる制度です。
住宅ローン減税は所得税・住民税から控除する仕組みのため、収入(納税額)が低くなればなるほどい効果が低下するものでした。一方で、すまい給付金は住宅ローン減税による負担軽減効果を十分に得られない収入層に対し、消費税引き上げの負担を軽減することが目的の制度です。
適用期間は2014年4月から2021年12月までに入居が完了した住宅ですが、2020年10月1日~2021年9月30日までに契約した新築の注文住宅と、2020年12月1日~2021年11月30日までに契約した分譲住宅・中古住宅は、2022年12月31日までに入居すれば給付金を受給できます。
給付額の計算方法は「給付基礎額」×「持分割合」です。給付基礎額は都道府県民税の所得割額で決まるため、市区町村が発行する課税証明書を確認しましょう。
▼詳細はこちらをご確認ください▼
贈与税を軽減できる「住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置」
両親や祖父母などの直系尊属から住宅取得資金を贈与された場合は、贈与税の非課税措置を利用することで贈与税の負担を軽減できます。
通常は、たとえ親族間であっても年間110万円以上の贈与には贈与税がかかります。
しかし、「住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置」を利用すれば、マイホーム購入のために子どもや孫に資金を贈与することが可能になるのです。
画像引用:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」
2022年1月1日~2022年2023年12月31日に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅の購入や増改築などを目的に贈与を受けた場合、一定額までの贈与にかかる贈与税が非課税になります。非課税限度額は贈与を受けた者ごとに500万円、省エネ住宅やバリアフリー住宅、耐震住宅などは1,000万円です。
なお贈与税非課税措置を受けるためには、上記図に記載されている要件をすべて満たす必要があります。父母や祖父母から住宅購入資金の贈与を受ける際は、非課税措置を利用できるかどうか確認しましょう。
まとめ:国の制度を利用して住宅購入の費用負担を抑えよう
今回は、住宅ローン減税とすまい給付金、住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置についてご紹介しました。
今後、新型コロナウイルスの感染拡大や経済情勢など、社会背景の変化に応じて新しく制度が創設されたり要件が緩和されたりする可能性があります。住宅購入の金銭的負担を少しでも軽減するためにも、利用できるお得な制度について最新の情報をチェックしましょう。
住宅ローンについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
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【2022】住宅ローン減税改悪って本当?改正後の住宅ローン減税内容を解説
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