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【2022】住宅ローン減税改悪って本当?改正後の住宅ローン減税内容を解説

住宅ローンを組んでマイホームを購入した人は「住宅ローン減税」を受けて、税金を優遇してもらえることがあります。住宅ローン減税は、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税の負担を軽減してくれる制度です。 

 

2022年の税制改正により、住宅ローン減税の内容が変更されました。改悪された点もありますが、その一方で改善された点もあるため、マイホームの購入を検討している方は住宅ローン減税の制度内容や変更点をよく理解することが大切です。 

 

今回は、住宅ローン減税の改正ポイントについて解説します。

2022年からの住宅ローン減税の主な変更点は3つ

 

本来であれば住宅ローン減税は2021年12月末をもって終了する予定でしたが、制度内容の一部が改正されたうえで2025年末まで延長されました。 

 

では、2022年からの住宅ローン減税はどのように変更されたのでしょうか?主な変更点は以下の3つです。

 

  • 控除率の縮小
  • 控除期間の延長
  • 借入限度額は環境性能に応じて決まる 

詳しく解説していきましょう。

 

1.控除率は1%から0.7%へと縮小

改正前の住宅ローン控除では「年末時点の住宅ローン残高の1%」が所得税から控除されていました。

2022年からは「年末時点の住宅ローン残高の0.7%」で控除額が計算されます。

 

例えば、年末時点の借入残高が3,000万円であるとしましょう。改正前であれば、3,000万円×1%=30万円分の減税が受けられました。

それが改正後は、3,000万円×0.7%=21万円の減税となります。

 

所得税から引き切れなかった部分は、一定金額まで住民税から差し引かれます。住民税から差し引かれる限度額は、改正前の最大13万6,500円から最大9万6,500円に減額されました。

 

2.控除期間は原則10年から原則13年に延長

改正前の住宅ローン控除は、最大10年にわたって減税が受けられる制度でした。

※消費税が10%であるマイホームを取得して、特例が適用されると控除期間は13年となります。

 

2022年からの住宅ローン減税は、新築住宅や買取再販住宅(不動産会社が買い取って再販している住宅)を取得すると、控除期間が原則13年へと延長されます。

ただし、既存住宅(中古住宅)を取得したときの控除期間は引き続き10年です。中古住宅の購入を考えている人は留意しておきましょう。

 

3.借入限度額は環境性能に応じて決まるように

住宅ローン減税には、控除額の計算対象となる借入額に上限が設けられています。

 

改正前の借入限度額は、以下の通りでした。

  • 一般住宅:4,000万円
  • 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅:5,000万円
  • 売主が個人である中古住宅:2,000万円

※認定長期優良住宅:省エネ性能やバリアフリー性能などが一定の基準を満たす高性能な住宅

※認定低炭素住宅:二酸化炭素を抑える対策が施された住宅

 

2022年からの住宅ローンは、取得する住宅の種類と入居するタイミングによって、借入限度額が異なります。新築住宅と買取再販住宅の借入限度額は、以下の通りです。

 

新築住宅・買取再販(2022年・2023年に入居) 

  2022年・2023年に入居  2024年・2025年に入居 
認定長期優良住宅 

認定低炭素住宅 

5,000万円  4,500万円 
ZEH水準省エネ住宅※1  4,500万円  3,500万円 
省エネ基準適合住宅※2  4,000万円  3,000万円 
その他の住宅  3,000万円  0円※3 

 

※1 ZEH水準省エネ住宅:断熱性能と省エネ性能などが高く、住宅の一次エネルギーの年間消費量がおおむねゼロになる住宅 

※2 省エネ基準適合住宅は、断熱性能や一次エネルギー消費量が、所定の基準を満たす住宅 

※3 2023年までに新築の建築確認がされていた場合は2,000万円(控除期間は10年) 

 

認定長期優良住宅と認定低炭素住宅は、2023年末までに入居するのであれば、改正前と同様に5,000万円までの借り入れが減税の対象となります。ZEH水準省エネ住宅を取得した場合、借入限度額は最大4,500万円です。 

 

 

一方で、省エネ性能が基準を満たさない一般住宅については、改正前の4,000万円から最大3,000万円へと引き下げられました。また、マイホームに入居するタイミングが2024年以降になると、借入限度額は全体的に引き下げられます。 

 

 

次に中古住宅の借入限度額を見ていきましょう。 

 

〇既存住宅(中古住宅)の借入限度額 

住宅の種類  20222025年に入居 
長期優良住宅・低炭素住宅 

ZEH水準省エネ住宅 

省エネ基準適合住宅 

3,000万円 
その他の住宅  2,000万円 

 

改正前の借入限度額は2,000万円でしたが、改正後は省エネ基準を満たした住宅は3,000万円へと引き上げられています。一方で、新築住宅や買取再販住宅とは異なり、入居するタイミングによって借入限度額は変わりません。 

 

 

まとめ:これからは住宅ローン減税の内容も住宅選びのポイントに

住宅ローン減税の改正により、控除率は1.0%から0.7%へと引き下げられました。一方で、新築住宅と買取再販住宅を取得したときの控除期間は、原則13年へと延長されています。

 

住宅ローン減税は、所得税と一部住民税の合計額を上回る控除は受けられません。所得税や住民税が少なく満額の控除を受けられない人は、控除率が引き下げられた影響は小さい可能性があります。人によっては、控除期間の延長によるメリットのほうが大きくなります。また、マイホームの省エネ性能が高いと借入限度額が上乗せされ、より大きな控除を受けやすくなったのことも重要な変更点です。

 

省エネ性能が高い住宅は、暑い夏や寒い冬も室内を快適な温度に保ちやすいです。冷暖房の使用効率が上がることで、光熱費の節約効果も期待できます。間取りや広さ、立地などに加えて、省エネ性能の高さにも注目してマイホームを選んではいかがでしょうか。

 

なお、改正にともない、他にも「制度を利用できる人の合計所得金額」や「制度の対象となる住宅の床面積」などさまざまな点が変更されています。マイホームの購入を検討している方は、住宅ローン減税の内容や利用できる条件などを不動産会社の担当者に確認するとよいでしょう。住宅ローンやマイホームについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

 

 

 

続けてご覧になっていただきたい記事はこちら:

 

共働きの住宅ローン選択肢は3つ。収入と働き方で決めよう

 

 

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