新社会人になると、親に任せきりだった保険の検討や管理を自分ですることになります。
「未成年の頃から親が加入してくれていた保険を引き継ぐことになった」
「親に保険の加入をすすめられた」
という人もいるのではないでしょうか?
ここでよく「新社会人に保険は必要かどうか」の議論が始まりがちですが、大切なのは「自分にとって必要かどうか」です。保険について正しい基礎知識を身につけ、自分で保険の必要性を判断しましょう。
この記事では、就職したら会社で入る保険と個人で入る保険の違いを解説しながら、「自分にとって民間保険が必要なのか」を判断するポイントを案内します。
就職したら入る公的保険と民間保険の違い
そもそも保険には、会社で強制加入する「公的保険」と任意で加入する「民間保険」があります。保険を考える際は、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。
どんなリスクを保障するのか | 公的保険 | 民間保険 |
社会保障制度の一つ。
会社員は会社で強制加入する |
民間の保険会社が販売している保険商品。加入は任意のため自由 | |
病気・ケガ | 公的医療保険(健康保険) | 医療保険
がん保険 傷害保険 など |
業務上の病気・ケガ | 労災保険 | 労働災害総合保険など |
老齢 | 公的年金(老齢年金) | 個人年金保険 |
死亡 | 公的年金(遺族年金) | 生命保険(終身保険・養老保険・定期保険・収入保障保険など) |
障害 | 公的年金(障害年金) | 就業不能保険
所得補償保険 など |
介護 | 公的介護保険
公的年金(障害年金) |
介護保険
認知症保険 など |
失業 | 雇用保険 | ― |
上記のとおり、会社員はまず会社で公的保険に加入します。給与から差し引かれている「社会保険料」とは、公的保険の保障を享受するための必要経費なのです。また会社によっては、上記の他に貯蓄制度や退職金制度といった会社独自の福利厚生を用意していることがあります。
したがって、会社員がいわゆる民間保険を考える際は、まず自身が公的保険と福利厚生でどれだけの保障を受けられるのかを確認しなければなりません。
就職して「親が入ってくれていた保険」の継続や「親や周囲からすすめられた保険」の加入を迷っている人は、まずご自身の保障を確認してみてください。
就職したら「民間保険」はどうすべき?
就職したら、民間保険はどうすべきでしょうか。 まずは、民間保険の役割を見てみましょう。
<民間保険の役割>
- リスク対策:公的保険でカバーしきれない、各種リスクによる経済的な損失をカバーする
- 資産形成:老後資金や教育資金などをためるために活用する
- 節税対策:生命保険料控除を利用して、所得税・住民税の節税対策に活用する
このうち、就職したての新社会人にとって重要度が高いのはリスク対策でしょう。特に奨学金の返済がある人や、一人暮らしで実家に頼れない人は、病気やケガで収入が途絶えたときの経済的な備えがないケースが多く、何らかのリスク対策を考えなければなりません。
一方で、親の支援や学生時代の貯蓄があるなど、リスクが起きてもある程度損失をカバーできる人は、リスク対策という点で民間保険を考える必要性は低くなります。ただ、民間保険には節税や資産形成のメリットもあるため、将来のために民間保険で備えるという人もいるでしょう。
要は、新社会人かどうかではなく、想定されるリスクが起きたときに経済的に困るかどうか。 リスクに備えつつ資産形成・節税できるというメリットを活かしたいかどうかです。
「公的保険制度があるから民間保険は不要」と考えるのではなく、資産形成や節税の観点もあわせたうえで、自分にとっての必要性を考えるといいでしょう。
就職したての新社会人にとって困るリスク
ここでは、新社会人に想定されるリスクをまとめました。
「こんなことが起きたら困る」と思う人は、何かしらのリスク対策が必要です。
病気やケガで働けなくなったとき、収入が減るリスク
新社会人の場合、有給が付与されるのは入社後6か月以降です。もし入社後6か月以内に休むと、欠勤扱いで給与が減額になることもあるため、不安な人はリスク対策が必要です。
ただし、会社員の公的医療保険(健康保険)には「高額療養費制度」や「傷病手当金」といった保障があります。民間保険を考える際は公的医療保険で受けられる保障をよく確認したうえで検討しましょう。
災害や盗難、事故にあうリスク
新社会人で一人暮らしを始める場合、火災や台風・豪雨などの災害、盗難・部屋の水漏れといったトラブル、事故に遭遇するリスクがあります。
いずれも発生頻度は低いものの、発生したときの経済的な損失額が大きくなりやすい点に注意が必要です。一人暮らしで賃貸物件に住む場合は、賃貸契約時に専用の民間保険(家財保険)に加入していることが多いですが、内容を確認せずに加入している人もいます。有事の際に保険金を請求するためにも、必ず内容を確認したうえで民間保険に加入しましょう。
また、新社会人の通勤で自動車・自転車を利用する人は、自動車や自転車の民間保険の加入も検討しておくといいでしょう。自動車には強制的に加入する自賠責保険がありますが、自賠責保険だけでは車そのものの損害を補填できません。公的保障の内容で万が一のリスク発生時に対処できるのか、よく考える必要があります。
まとめ
新社会人で病気やケガといったリスクが発生したとき、経済的に困る可能性が少しでもあるのなら、リスク対策を考える必要があります。特に新社会人は貯蓄や収入が少なく、奨学金の返済もあると家計が困窮しやすいので注意が必要です。
ただしリスク対策の方法は、民間保険だけではありません。生活のさまざまなリスクはある程度公的保険制度でカバーされていますし、会社員であれば会社独自の福利厚生制度が用意されていることもあります。まずは、自身が受けられる保障を確認することが大切です。
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