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出産前後にやるべき9つの手続きとは?災害緊急時の備えについても解説

出産後は赤ちゃんのお世話に加えて、さまざまな手続きが必要になります

 

そのような中で災害が発生すると、赤ちゃんのお世話と手続きの両方に影響が出てしまいます。実際に、東日本大震災のときに出産した人の中には、おむつやミルクが足りなくて苦労したとの話もありました。

 

そこで今回は出産前後に行うべき9つの手続きと緊急時の備えについて解説します。 

出産前後に行うべき9つの手続き

 

多くの手続きは出産後に行いますが、事前に必要書類や提出先の情報を確認しておくとスムーズに手続きできます。

 

出産前後に行うべき9つの手続きについて、内容と申請方法を以下の表にまとめました。

名称  内容  手続き方法 
出産育児一時金  1児につき42万円の給付金を受け取れる制度(産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合は40.8万円)

※令和3年12月31日以前の出産は40.4万円 

  • 直接支払制度(医療機関に費用が直接支払われる):出産する医療機関に申請 

 

  • 受取代理制度(被保険者の代わりに医療機関が給付金を受け取る):加入している健康保険組合や協会けんぽに申請(※厚生労働省へ届け出た診療所・助産所のみが対象) 
出生届  赤ちゃんが生まれたことを届け出る手続き  生まれた日から14日以内(国外で生まれた場合は3カ月以内)に父母の本籍地、届出人の住所地、出産した場所を管轄するいずれかの市区町村の役所窓口に申請 
赤ちゃんの健康保険証  赤ちゃんの健康保険証を取得するための手続き 
  • 国民健康保険(自営業など):生まれてから14日以内に住所地を管轄する役所窓口へ申請  

 

  • 健康保険:勤務先に連絡し、被扶養者認定申請書や被扶養者異動届などを提出 
乳幼児医療費助成  国民健康保険や健康保険などの自己負担分を助成する制度  住所地の役所窓口に申請し、「マル乳医療証」の交付を受ける 
児童手当金  0歳から中学校卒業まで(15歳の誕生日後に迎える最初の3月31日まで)の児童を養育している期間中、定期的に5,000円~1万5,000円までの手当が支給される制度

※手当金の額は世帯所得や子どもの年齢により異なる 

生まれた日の翌日から15日以内に、住所地の役所窓口に申請(里帰り出産で住所地を離れている場合も同様※郵送での手続きも可) 
高額療養費   1カ月にかかった医療費の自己負担額を一定額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度(帝王切開や吸引分娩、鉗子分娩など、保険適用の医療行為にかかる費用のみが対象)  健康保険組合・協会けんぽ、国民健康保険の担当課などに必要書類を添えて申請(※郵送での手続きも可) 
医療費控除  申告者やその配偶者、親族が1月1日~12月31日に支払った医療費の合計額が一定を超えるとき、その一部が所得から控除される制度  「医療費控除の明細書」を所得税の確定申告書に添付して、住所地を管轄する税務署に提出 

 

関連記事: 

「出産」費用を確定申告の「医療費控除」で節約する方法」 

 

出産手当金   出産を理由に会社を休み、休業期間中に給与の支払いを受けなかった場合、出産の日から42日前~出産の翌日から数えて56日目までの範囲内で出産手当金が支給される制度 

 

以下の条件を満たすと、退職後でも所定の期間の範囲内で支給を受けることができる 

 

  • 被保険者の資格喪失日の前日(退職日)までに、被保険者期間が継続して1年以上ある  
  • 資格喪失の日の前日に出産手当金の支給を受けている、あるいは受ける資格がある状態(出産日から42日前の時点で被保険者であり、なおかつ退職日に出勤していない) 
「健康保険出産手当金申請書」を添えて健康保険組合や協会けんぽに申請 

※一般的に会社経由で提出する

育児休業給付金  育児休業を開始する日から2年前までに被保険者期間が12ヶ月以上(特例あり)ある場合に、休業開始時賃金日額の67%(6ヶ月以降は50%)が支給される制度 

 

※育児休業開始時点で有期雇用労働者の場合は、別途要件を満たす必要あり 

原則2カ月に1回、在職企業を管轄するハローワークに申請 

※一般的に会社経由で提出する

出産前後体調が優れない場合は、なるべく郵送で申請しましょう。 

緊急時の備え

もし、出産前後に災害が起きてしまうと、赤ちゃんのお世話に大きな支障をきたす恐れがあります。次のように備えておくと、少しは安心できるかもしれません。

 

方法  ポイント 
赤ちゃん用の防災グッズや生活必需品を用意する  液体ミルク、授乳ケープ、オムツ一式などを詰めた非常用持ち出し袋を用意。普段からその中身を使用して、使った分だけ買い足すことで一定量を常に備蓄しておく。 
家具の配置変更や転倒防止対策をする 
  • 本棚や食器棚、タンスなどは赤ちゃんの近くに置かない、赤ちゃんが近くに行けないようにする  
  • 食器や花瓶などの割れやすいものは、転倒防止用ジェルで対策する 

また、赤ちゃんが生まれる前に保険を見直すことも行いたい備えの1つです。大きな病気が見つかってからでは加入できる保険が限定されるため、この機会に保険を見直すことをおすすめします。

 

最近では妊娠中に入れる保険もあるため、まずは保険会社や専門家に相談してみましょう。 

 

関連記事:「「妊娠したら保険見直し」の前に知っておきたい!妊娠・出産時に役立つ公的保障」

必須ではないが使えるサービス

育児や家事などに大きな悩みを抱える方が少なくありません。

あらかじめ、産後に利用できる便利なサービスを調べておくと、精神的な負担が少しは軽くなるでしょう。出産前にチェックしておきたいサービスを目的別に紹介します。

産後のトラブルや悩みを相談できる「産後ケア施設・産後院」

産後ケア施設(産後院)は、赤ちゃんのお世話やお母さんの体のケアなど、さまざまなサポートをしてくれる医療機関です。

 

自治体が産後ケア事業として提供しているため、中には1泊2日1万円以下という低料金で宿泊できる施設もあります。家族のサポートを十分に受けることが難しい人は、ぜひ利用してみてください。

赤ちゃんのお世話からママのケアまで任せられる「産褥ヘルパー・産後ヘルパー」

産褥ヘルパー・産後ヘルパーとは、産後のお母さんと赤ちゃんのサポートをする人やそのサービスのことです。食事や沐浴、おむつ交換から掃除や洗濯、きょうだいのお世話まで、幅広いサポートを提供しています。

 

産褥期は出産前の体に戻る途中の段階であり、心と体が不安定になりがちです。無理をするのではなく、産褥ヘルパー・産後ヘルパーを有効活用して、少しでも負担を減らしましょう。

家事の負担を軽減できる「家事代行・食事宅配サービス」

家事代行とは、スーパーや薬局などへの買い物や食事の用意、洗濯、掃除などの家事を代行してくれるサービスです。赤ちゃんのお世話に忙しいお母さんの負担を軽減してくれます。

 

食事宅配サービスは、毎日・毎週・毎月など好みのタイミングで自宅に食事を届けてくれるサービスです。冷凍の弁当を届けるサービスのほか、店の作りたての料理を自宅に運んでくれるサービスもあります。家事代行や食事宅配サービスを活用すれば、家事の負担を大幅に軽減できるでしょう。

まとめ:準備を整えて万全の状態で出産を迎えよう

今回は、出産前後に行うべき手続き9つと緊急時の備えについてご紹介しました。

 

産後は、体が妊娠前の状態に戻っていない状態で赤ちゃんのお世話をするため、心身に大きな負担を感じる方が少なくありません。自治体・民間のサービスを活用して、日々の負担を少しでも減らすことが大切です。

 

出産手当金をはじめとした子育て関連の制度は定期的に見直されるため、最新の情報をチェックして正しく手続きを進めましょう。以下の記事では出産費用を確定申告して節税する方法も解説しています

あわせてご覧ください。 

 

続けてご覧になっていただきたい記事はこちら:

出産費用を確定申告して節税する方法。医療費控除のやり方を徹底解説

 

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