結婚すると生活環境が大きく変わるだけでなく、お金の使い方や働き方も大きく変わるのではないでしょうか。
本記事では、結婚すると変わる税金や社会保険料、年金保険料について解説します。また、意識しておきたい年収の壁についても解説しますので、働き方の参考にしてください。
結婚すると変わる税金や社会保険は主に4種類
結婚すると、税金や社会保険料の内容が大きく変わります。
夫婦ともにフルタイムで勤務している場合は問題ありませんが、どちらかがパート・アルバイトとして勤務をするなら、年収の壁は意識しましょう。
年金や社会保険料の支払い方が変わることで、パート・アルバイトで得られる手取り額が大きく変わるからです。
税金の変化① 配偶者控除・配偶者特別控除
まずは、配偶者控除・配偶者特別控除です。配偶者控除とは、配偶者(妻)の年収に応じて、世帯主(夫)の税金を下げられる制度です。
配偶者の年収が103万円以下の場合は配偶者控除として38万円が、年収が150万円〜201万円の場合は配偶者特別控除として、38万円〜3万円の控除が受けられます。
税金の変化② 扶養控除
扶養控除は、一般的に16歳以上の子どもがいる場合に意識する制度で、子どもの年収が103万円以内であれば、世帯主は38万円の控除を受けられます。
また、子どもが19歳以上23歳未満(大学生)の場合は、63万円の特定扶養控除の対象になります。子どもが扶養から外れると、年間で約14万円手取りが少なくなるので、子どもがアルバイトを始めたら、103万円以内の収入で働いてもらいましょう。
社会保険の変化③ 年金保険料
結婚すると、年金保険料の支払い方法が変わります。厚生年金や共済組合に加入している世帯主(夫)に扶養されると、世帯主の社会保険料に配偶者(妻)の年金保険料が含まれるようになるからです。
世帯主の健康保険に扶養で入る場合は、世帯主が会社へ所定の書類を提出する必要があります。そうすることで、配偶者は国民年金の第3号被保険者となり、自身で年金保険料を納める必要がなくなります。
社会保険の変化④ 健康保険(社会保険)料
結婚して扶養に入ると健康保険料も変わります。こちらも年金保険料と同様に、世帯主(夫)の扶養に入ることで、健康保険料を自身で支払う必要がなくなるからです。
また、世帯主の扶養に入るのであれば、年収の壁も意識する必要があります。パート・アルバイトの勤め先によっては、社会保険への加入義務が生じるからです。
社会保険の加入対象となる要件は、以下のとおりです。1〜5のすべてに該当する場合は、年収106万円を超えると社会保険の加入対象になります。
- 勤務先(雇用元)の従業員数が501名以上いる
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上(年間約106万円)
- 1年以上の勤務の見込みがある(契約更新有りの場合も含む)
- 学生ではない
この5つの条件のうち1つでも対象外であれば、年収130万円が社会保険加入のボーダーラインとなります。なお2022年10月より、従業員数501人以上いる勤務先という要件が拡大され、従業員数101人以上の勤務先が要件となります。
扶養に入る壁の種類も意識しておきたい
一般的に、年収の基準のことを「年収の壁」といいます。一定の収入を超えると納税の義務が生じたり、社会保険への加入が義務づけられたりすることが由来しているようです。年収の壁は、税金と社会保険で区別すると分かりやすいです。
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税金の「年収の壁」は、100万円、103万円、150万円の3種類で、以下のような意味があります。
- 100万円(住民税)または103万円(所得税)を超えると、納税の義務が生じる
- 103万円を超えると、扶養から外れ、(世帯主が)配偶者控除を受けられなくなる
- 150万円を越えると配偶者控除が配偶者特別控除になり、配偶者の年収に応じて控除額が減少する
社会保険の「年収の壁」は、106万円と130万円の2種類です。
- 106万円を超えると、会社の規模によって、社会保険への加入義務が生じる
- 130万円を超えると、会社の規模にかかわらず、社会保険への加入義務が生じる
上記のなかで手取り額に大きく影響するのは、106万円と130万円の壁で、年収が130万円を超えるようであればパート・アルバイトではなく、フルタイムで働くほうが手取りを多く受け取れます。
まとめ:配偶者と相談して収入を調整しよう
本記事では、結婚すると変わる税金や社会保険料、年金保険料について解説してきました。
年金や社会保険で世帯主(夫)の扶養に入る場合は、手続きが必要になりますので、勤務先へ所定の書類を提出してください。
また、夫婦の働き方によっては、年収の壁も意識しましょう。どちらかが会社員で、どちらかがパート・アルバイトのような場合は、配偶者の年収によって、お互いの手取りが大きく変わるからです。夫婦共働きが一般的な今だからこそ、お互いの働き方について、話し合ってみてはいかがでしょうか。
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