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そもそも、働けなくなったときに受けられるサポートにはどんな保障があるの?

もし、働けない状態になってしまったら… 皆さんは、まず何を頼りにされるでしょうか?

 

厚生労働省のホームページには、社会保障制度についてこのように記載されています。

 

社会保障制度は、国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセーフティネット。(中略)全ての人々の生活を生涯にわたって支えるものです。

 

海外での生活経験でも無ければあまり意識して確認することは無いかもしれませんが、諸外国の皆保険等と比較すると日本の社会保障制度がとても優れていて実は頼りになる存在であることがわかります。

 

最近は、社会のさまざまな出来事を背景に「働けない状態になった際に得られる保障」が注目を集めています。

 

一方で、そもそも“その存在”や“どんなときに、どんな形で支えてもらえるのか?”を知らなければ頼ることもできません。

 

そこで今回の記事では、働けなくなり収入が減ってしまった場合に役に立つ制度である「傷病手当金」について解説していきます。

働けなくなった時の助け舟!傷病手当金とは?

サラリーマンや公務員の方が働けなくなったときに受けられる代表的な保障が傷病手当金です。

 

傷病手当金は、業務外の病気やケガで仕事ができなくなり、給料が受け取れない、もしくは給料が減ってしまった場合に、最大で1年6ヶ月間、健康保険から受けられるお金です。

 

同じようなサービスに「障害年金」と呼ばれる給付もありますが、傷病手当金の方が比較的受け取りやすい代わりに、通算で1年6ヶ月間と給付期間が決まっています。

これに対し、障害年金は条件が厳しめな代わりに、条件を満たす限りずっと受け取ることができます。

 

では、具体的にどの様な人が傷病手当金の支給を受けられるのでしょうか?

 

 

傷病手当金の支給条件

 

傷病手当金の支給を受けるには、下記4つの条件を全て満たす必要があります。

 

  • 業務外の病気・ケガの療養のための休業であること
  • 働けない状態になったこと
  • 働けない状態が4日以上続くこと
  • 休業期間に給料を受け取れなかったか、額が非常に少なかったこと

 

傷病手当金は、あくまで業務外の病気や怪我に対して支給されるため、業務中の場合は労災保険を利用するべきです。

また、国民健康保険に加入しているパートタイムの方(社会保険の適用なし)

や自営業の方の場合、傷病手当金の制度は受けられません。

 

「働けない状態」の評価については医師の意見が重視され、業務の種類や内容を考慮に入れて、本来の業務に耐えられるか否かを判断基準にしています。

なお、入院していなくてもよく、自宅療養も支給対象となります。

 

「働けない状態」の日数の数え方は下図の通りです。

 

 

(引用)全国保険健康協会 

 

連続して3日間会社を休むことを「待機完成」と呼び、待機完成を経て休暇4日目から傷病手当金が支給されます。

 

ちなみに、有休や公休を使って仕事を3日間連続で休んだ場合も待機完成の扱いとなります。

 

具体的な支給額は下記の計算式の通りです。

 

1日あたりの支給額=「標準報酬日額」×2/3(1円未満は四捨五入)

 

支給期間は下図の通りです。

 

 

(引用)全国保険健康協会 

 

以前までは支給開始から最長1年6ヶ月が支給期間でしたが、令和2年7月2日以降から通算1年6ヶ月間に変更となりました。

この間、上記4つの条件を全て満たしていれば支給を受けることができます。

 

しかし、中には傷病手当金の支給条件を満たしていても支払われないケースがあるため注意が必要です。

 

具体的には下記のようなケースが挙げられます。

 

 

①給与の支払いがあったとき

 

休んだ期間でも給与の支払いがされた場合、傷病手当金は支給されません。ただし、例外として給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合には、傷病手当金と給与の差額分が支給されます。

 

 

②障害厚生年金または障害手当金を受けているとき

 

同じ病気・ケガが原因で、厚生年金保険の「障害厚生年金」や「障害手当金」を受けている場合は、傷病手当金は受け取れません。

 

ただし、障害厚生年金の場合、その額の360分の1(約1日分)が傷病手当金の日額より少ない場合には差額が受け取れます。

 

また、障害手当金が支給されている場合、傷病手当金はその合計額が障害手当金の額を超えるまでは「支給停止」になり、額を超えてから初めて受け取れます。

 

 

③老齢退職年金を受けているとき

 

老齢退職年金を受けている場合、傷病手当金は受け取れません。

 

ただし、老齢退職年金の額の360分の1(約1日分)が傷病手当金の日額より少ない場合にはその差額分が受け取れます。

 

 

④労災保険から休業補償給付を受けているとき

 

業務外の理由による病気やケガで働けなくなった場合でも、同時に別の原因で労災保険から「休業補償給付」を受けている期間は、傷病手当金は支給されません。

 

ただし、休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より少ない場合にはその差額分が支給されます。

 

 

⑤出産手当金を受け取れるとき

 

出産のために休んだ場合は、出産手当金の対象になっていますので、傷病手当金は受け取れません。

 

 

傷病手当金の申請の流れとは?

 

条件をクリアしている場合、下記のような流れで申請を行います。

 

 

 

病気や怪我をした場合、医療機関で治療内容や治療期間、治療費の確認をして傷病手当金の申請が可能か確認します。

この際、医療費が高くなりそうであれば、高額療養費の事前申請もできるかもしれませんので、必ず確認しておきましょう。

 

その後、勤務先に欠勤の報告をして、加入している公的医療保険制度のHPなどで申請書を印刷して医療機関に提出します。

 

医療機関で働けなかった期間の証明をもらった後、勤務先にも申請書を提出して、会社を休んでいること、給料が支払われていないことの証明をしてもらいます。

 

申請書が完成したら、窓口もしくは郵送で加入している健康保険組合などに提出します。

 

 

まとめ

今回の記事では、傷病手当金について解説させていただきました。

 

業務外の病気や怪我によって働けなくなった場合、医療費の負担はもちろんこと、給与が減ってしまう経済的損失も負担になるため、傷病手当金はぜひ活用したい制度です。

 

支給を受けるにはご本人による申請が必要なため、是非今回の記事を参考にして頂ければ幸いです。

 

ところで、傷病手当金以外にも、収入の減少した際に利用したい仕組みがあるのをご存じですか?

 

「収入減少時に得られる保障」は、いま最も注目度が高い保障だと言われている中、ぜひご覧になって頂きたい記事があります。

 

自分で調べるのはなかなか大変ですが、こうした記事を一度ご覧になりベンチマークしておかれると、いざという時に大きな差になるかもしれません。

 

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教えて!収入が減ったときの保障にはどんな給付や手当があるの?

 

 

 

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