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知らないと損!日本の皆保険制度は世界最高!?日本国民はそう思えていない理由とは?

皆さんは日本の公的医療保険制度に不満はないでしょうか?

 

日本の公的医療保険は「国民皆保険」であり、全ての国民が保険制度の恩恵を受けられます。

世界的に見ても非常に優れた制度ですが、実際に制度を利用している日本国民からはあまり高い評価を受けていない一面もあるようです。

 

なぜ日本国民は、世界最高とも評される皆保険制度に“ありがたみ”を感じていないのでしょうか。

 

今回は日本の皆保険制度が”ありがたがられない理由”を探ります。

日本の皆保険制度は世界最高峰?

 

日本の公的保険制度は、全ての国民が3割の医療費負担で保険診療を受けられる国民皆保険制度です。

 

年齢・性別・職業によって加入する保険制度は異なりますが、原則として全ての国民に保険への加入が義務づけられています。

収入に応じて負担する保険料は変動しますが、支払った保険料によって受けられる保険診療の内容が変わることはありません。

 

また、収入に応じて支払う医療費にも上限が設けられますので、経済的な負担を一定に収めながら全ての国民が保険診療を受診できます。

誰もが医療行為を受けられる皆保険制度が、国民の健康維持へ大いに寄与しているのは間違いありません。

 

その一方で、国民の医療費負担は数十年に渡り増加し続けており、収入に対する保険料の割合が上がり続けてきました。

同時に段階的な自己負担割合の増加も続いているため、支払いは増えているのに受けられる医療サービスが縮小しているという現実に、多くの国民は支払った保険料分の恩恵を受けていないと感じてしまっているのです。

 

 

増大し続ける医療費負担に”痛税感”

 

国民医療費を支える健康保険料率は、毎年のようにゆっくりと上昇を続けています。

 

平成元年(1989)には8.30%だった保険料率は緩やかに上昇し、平成24年(2012年)には10%まで増加しました。

その後令和5年(2023年)までは健康保険料率の引き上げは見送られていますが、平成12年(2000年)から導入された介護保険料の料率引き上げは続いており、開始当初は0.6%だった料率は、令和5年(2023年)には1.82%まで引き上がりました。

 

実質的には介護保険料が健康保険料の引き上げ部分を担っており、ふたつの保険料率を合計すれば、平成元年の8.30%から令和5年の11.82%まで国民の保険料負担は増加しているといえます。

 

また、厚生労働省が発表した「厚生労働白書」によれば、平成元年の平均給与452.1万円に対し令和2年(2018)には433.3万円と減少しました。

収入は減るのに保険料負担だけが増加するという組み合わせにより、現役世代は可処分所得を猛スピードで削られ続けているのです。

 

こうした状態から、国民は負担ばかりを押しつけられる”痛税感”を強く感じ始めており、社会保障に対する期待を失いつつあります。

 

 

減る年金、増える消費税

 

保険料の値上げによる痛税感に対し、さらに年金と消費税が拍車をかけています。

 

厚生年金の受給時期が60歳から65歳へと段階的に引き上げられ、さらには75歳までの繰り下げ受給制度が導入されました。

今は働き盛りの現役世代にとって、こうした制度の変更の影響を受けるのは先の話でしょう。

 

しかし、将来自分たちも受け取るであろう年金が、見方によっては“出し渋り?」とも捉えられかねない制度変更を目の当たりにすることで、老後に先行きの暗さを感じている人が増え始めている現状があります。

 

また、常に消費税に付きまとう”増税“の話題は、多くの国民に生活が困窮するイメージを植え付けています。

2019年に社会保障費の財源として消費税が10%に引き上げられた際、増収となった14.3兆円のうち社会保障の拡充に使われたのはわずか4兆円。残りは年金や負債の返済に宛てられているのが実態です。

 

明るい社会の実現を期待して増税を受け入れた国民にとって、こうした“足跡”は更なる痛税感を抱くことになるだろうと心配されます。

 

 

まとめ

 

日本の公的医療保険制度は、国民の誰もが自己負担3割で保険診療を受けられる世界的にも評価の高い制度です。

一方で国民視点では徐々に自己負担の引き上げと保険料の増額が続いていることから、多くの国民が負担感を口にする中「痛税感」を訴える声が次第に大きくなっているように見受けます。

 

この痛税感は、特に現役世代への広がりが顕著です。

世界と比較しても一定して昇の兆しがみられない平均年収に対し、増え続ける医療負担、重くのしかかる増税、そして将来の年金原資に不安を持たざるを得ない老後の年金など、自分たちには安定した社会生活など存在しないのではないか?との不安を突きつけられています。

 

かかる状況下に“無言のメッセージ”として感じざるを得ないのが「自助努力の強化」です。

こうした社会保障制度の現状を踏まえながらも自分の人生を少しでも豊かなものとするには、自身を取り巻く環境のうち有効に活用できるものは“雑巾を絞る”が如く活かし切ることが重要です。

 

社会保障制度はすべての国民に平等に与えられた”利用権”ですが、会社勤めの方には「複利厚生制度」という強い見方も存在するはずです。「自助努力強化」の一環として、この機会に改めて制度内容を確認されてはいかがでしょうか。

 

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