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教えて!保険会社に聞いても教えてくれない…家族が加入している保険を知るには?

親が掛けている保険の内容を知りたい場合、皆さんはどうされますか?

たとえ保険会社が判明していても、たとえ親族であっても、原則として契約者以外からの問い合わせには応じてもらえません。

生命保険契約の権利は「契約者」に帰属され、個人情報保護の観点からも第三者に対する情報開示は拒否されます。

 

では、例えば「意識不明の重体で入院」「認知症を伴う要介護状態」などの場合は、家族であっても保障内容等の確認が一切できないのでしょうか?

 

現在は、個人情報に対するセキュリティが強化される一方で、消費者を保護する声の高まりを受けた企業の柔軟な対応が求められる時代です。

また認知症問題をきっかけとした「終活」など、金融資産の継承問題も注目を集めています。

 

かかる状況下、こうした社会的な背景をもとに生命保険を取り巻く環境も変化し始めています。

 

そこで今回の記事では、非契約者が加入内容等を知りたい場合への対応策について解説します。

「契約者」が対応できない状況とは?

 

前段で少し触れたとおり、契約者が動けない状況はいくつか想定されます。

代表的なのは「認知症」ですが、いまや社会的に大きな問題となるくらいに増加しています。

 

厚労省によれば、65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。とても他人ごととは言えない状況です。

次いで多いのが大病に伴うケースです。

 

その大病に対する給付金がどれくらい得られるのか?を知りたい場合、次のとおり契約形態によって対応が分かれます。

 

■「契約者」「被保険者」が別人
この場合(被保険者が病気に罹った)は、契約者が対応できるので問題がありません。
配偶者の保険を世帯主名義の口座から引き落としているケースや、世帯主の給与天引きにしている場合は「契約者」「被保険者」が別人になっているかと思います。

 

■「契約者」「被保険者」が同一
この場合は、契約者自身が対応不可に陥っていることになるので情報を知り得ない状況が想定されます。

 

交通事故は年々減少していますが、意識不明の重体となりICU(集中治療室)での治療を余儀なくされるケースは自然災害等に起因することも考えられるので、最近の天候状況からすると決して低い可能性ではないと思われます。

 

他にも、意外に多いのが「離婚」が関連するケースです。まだ離婚が成立していない状況下で、いろいろと経済的な現状を確認する経緯からだと推測されますが、保険外交員が「急にどうしたの?」と問うと「実は…」という話がよくあるようです。

 

 

社会的要請を受けて考案された“対応策”とは?

 

生命保険協会や保険会社各社の経営努力によって、現在はいくつかの対応策が案内されています。

 

 

「生命保険契約照会制度」/生命保険協会

2021年7月より生命保険協会では、平時の死亡、認知判断能力の低下、または災害時の死亡もしくは行方不明によって、生命保険契約に関する手掛かりを失い、保険金等の請求を行うことが困難な場合等において、生命保険契約の有無の照会を受け付けています。

生命保険協会を通じて生命保険会社42社(2022年現在)へ契約の有無を照会できる制度で、照会申請ができるのは法定相続人および法定相続人の代理人等と定められています。

なお、1回の照会につき3,000円(税込)の費用がかかります。

 

利用規約等の詳しくはこちらのサイトをご参照ください。

 

参考:生命保険協会 生命保険契約照会制度のご案内 | 生命保険協会 (seiho.or.jp)

参考:家族の生命保険契約を一括照会!どこの会社に加入しているか調べられます | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

 

「家族(情報)登録制度」/生命保険会社各社

家族の連絡先を生命保険会社に登録しておく制度です。

地震・台風などの災害時や高齢の契約者に連絡が取れない場合、登録家族に対し契約者の安否や連絡先などの確認が入る仕組みになっているので、そこで当該契約の存在を認識するに至り、結果的に保険金・給付金の未請求防止にも寄与します。

中には、登録家族が契約内容の照会や給付金請求書など書類の取寄せを行うことができる保険会社もあります。

 

なお、登録には当該家族から事前に同意を得る必要があります。

また、本制度はあくまで照会ができるだけであり、保険金・給付金を請求することはできません。

詳しくはこちらのサイトをご参照ください。

 

参考:家族(情報)登録制度はどんな内容なの?|生命保険に関するQ&A|生命保険Q&A|生命保険を知る・学ぶ|公益財団法人 生命保険文化センター

 

 

「契約内容ご案内制度」/第一生命

保険会社独自の取組みとして、2015年7月に本制度を創設し業界に先駆けてこうした問題に対応し始めている「第一生命保険株式会社」の制度を紹介します。

 

同社の契約を確認したところ「契約者」と「死亡保険金の受取人」が別人となる契約形態が約8割を占めることからも、保険金などの未請求を防止するには、契約者以外の請求者(被保険者、死亡保険金受取人、指定代理請求人など)にも契約の内容や手続き方法等を知らせる必要があると判断しています。

詳しくはこちらのサイトをご参照ください。

 

参考:契約内容ご案内制度のお申込み・規定の確認|各種変更・お届け|第一生命保険株式会社

 

 

まとめ

 

かつては「契約者の権利である」との一点張りであった第三者への情報開示は、ご確認いただいた通り社会的要請を受けた柔軟な対応を示し始めています。

読者の中に、もし「以前に同様の主旨で照会を入れたことがある」という方がいれば、今一度保険会社に確認を入れてみることで、もしかしたら以前とは異なる対応が見受けられるかもしれません。

 

保険業界は、2005年に発覚しその後大きな社会問題となった「保険金不払い問題」以降、保険金・給付金の“支払い”について様々な強化策を施してきました。

また、消費者志向の高まりも相俟って契約者側の “受取り(「支払事由)や「免責事由」)”に対する意識も強くなりました。

 

このサイトには“受け取ること”に着眼した多くの情報(コラム記事)や、実際に加入している保険のチェックポイントを分かりやすく示した動画やセルフチェックシートをご利用いただけるメニューがあります。

 

「まだあまり、支払事由や免責事由に対する情報に詳しくない」

「実際に、自分の契約について改めて確認しておきたくなった」

 

という方は、ぜひこの機会にご利用ください。

 

セルフチェックをサポートする様々なメニューをご利用されたい場合は、こちらの「ぜひ、お気軽にご利用いただきたいメニューはこちら」のすぐ下にある黒いボタン(アップデートメニュー)をタップして次の画面にお進みください。

 

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