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所得補償保険の必要性とは?どんな人に向いているの?

働き方によって社会保障の適用範囲も異なる!どこまでの備えが必要なのか具体的に確認しよう。

 

著者は地方中核病院に勤務する医師です。

患者さんにとって病気やケガは突然に襲ってくることが多いです。働けなくなったときに、大部分は社会保障でまかなうことができますが働き方やライフスタイルによっては十分な保障が受け取れないことがあります。経済的なリスクは死亡よりも病気やケガのときに高くなる傾向があります。

具体的にどのように備えて行けばよいのかの1例として、所得補償保険を紹介します。

 

所得補償保険とはどんな保険

 

働けなくなったときの備えとして、さまざまな種類の保険があります。

その中でも、以下に示す3つの保険は押さえておきたい保険です。

 

  • 所得補償保険
  • 就業不能保険
  • 収入保障保険

 

今回はその中で、「所得補償保険」を中心に解説します。比較しながら見てみましょう。

 

所得補償保険は病気やケガが原因で働けなくなり、収入が減ってしまったときに不足分をカバーする保険です。

家族の保障というと被保険者が亡くなったときの死亡保険金をイメージするかもしれませんが、この所得補償保険は被保険者の「生存時」に収入の不足分を補うための保険です。死亡時や高度障害時には受け取ることができません。

所得補償保険は生命(死亡)保険ではなく、損害保険です。損害保険は被保険者に対して保険金が支払われる保険です。

 

保険金は被保険者の収入以下で設定します。収入の不足をカバーする保険で、実際の収入以上を保険金として設定することはできません。

受け取り方は、毎月定額を受け取るタイプがほとんどです。健康で保険金の支払いがなかった場合に保険料の一部が戻ってくるタイプもあります。

 

 

所得補償保険の詳細

 

免責期間

 

免責期間とは保険金が支払われる事由が発生しても、働けなくなってからの日数がこの期間を超えて長引かないと保険金が支払われない期間のことです。

7日程度の短期間のものや60日〜365日程度の長期間のものがあります。免責期間を超えてから補償の対象になります。

 

 

短期補償と長期補償

 

所得補償保険には2つのタイプがあります。

 

  • 短期補償型
  • 長期補償型

 

■短期補償型

短期補償型の所得補償保険は、1〜2年といった短期間働けなくなるリスクに備えたい人に向いています。短期間の就業不能に備えるため、免責期間が7日間程度と短くなっています。病気やケガが原因の入院や、仕事が1日もできない状態の時などに保険金が支払われます。

 

■長期補償型

このタイプの所得保障保険は、60歳や65歳までの長期に渡って保険金の支払いが続くため、老後まで働けなくなるリスクに備えたい人向けです。免責期間は長期間働けないことを前提にしていて、短期補償タイプと比較すると長く60〜365日程度になっています。

病気やケガでの長期入院や医師の指示により自宅療養をしていて全く仕事ができない状態などに保険金が支払われます。例えば、寝たきりの状態などに備えたいという人は検討してみると良いでしょう。

 

 

所得保障保険で保険金が出ない事由

 

補償が対象外になる事由は、保険会社によって異なります。

働けない状態であれば絶対に所得補償保険は保険金が受け取れるという訳ではありません。

理由によって、補償の対象から外れてしまうことがあります。

 

  • うつ病などの精神疾患 (保険商品による)
  • 無免許運転・酒気帯び運転が原因のケガ
  • アルコール依存症

 

こういった原因で働けなくなった場合には保険金が受け取れないことがありますので、注意が必要です。

 

妊娠や出産が理由で働けない場合も補償の対象外です。妊娠出産で働けない場合は、育児休業給付金や出産育児一時金 (会社員など)で対応しましょう。

 

 

 

就業不能保険

 

就業不能保険は生命保険会社が取り扱っています。働けなくなったときの生活費をカバーする保険として機能します。

就業不能保険は生活を守ることを目的としているので、保障という漢字を利用します。

所得補償保険は自分の収入が減った分(損失分)を補う保険のため、補償という漢字を使います。

就業不能保険は生命保険で所得保障保険は損害保険です。保険会社によって細かな内容は異なります。生存時の所得が減ってしまった場合にカバーする保険という面では共通点が多くあります。

 

 

収入保障保険

 

収入保障保険は生命保険会社が取り扱っている保険です。名前は似ていますが、所得保障保険や就業不能保険とは全く異なります。

この保険で保険金を受け取るのは被保険者ではなく、被保険者の遺族です。死亡や高度障害状態のときに遺族に対して保険金が支払われます。

また、収入保障保険は自分の収入を補填するものではないため、遺族に必要な金額に合わせて保険金額を決めることができます。

それぞれの特徴を理解した上で、自分の考えに合った保険を選択しましょう。

 

 

まとめ

 

所得補償保険とは、病気やケガなどが原因で働けなくなってしまい、収入が減ったときの不足分をカバーする損害保険会社が取り扱っている保険です。免責期間が短期間のものと長期間のものがあります。

就業不能保険は所得補償保険と同じく、働けなくなったときの保障を確保するものです。

収入保障保険は死亡時の遺族の保障を目的としています。

 

所得補償保険は就業不能保険と比較して免責期間が短いタイプがあります。そのため、必要なお金が、病気やケガになったときすぐに手元に入ります。貯金が少ない人やまとまったお金が必要な人は検討してみてもよいでしょう。

 

働き方によって公的保障の手厚さが変わってきます。どこまでの備えが必要なのかを具体的に考えて、働けなくなったときの経済的リスクに備えましょう。

 

 

 

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