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ガンの年齢、男女による差は?

 

2019年に世界を襲った新型コロナウイルスは今尚日本列島を混乱に陥れています。

仮に弱毒化しているとはいえ、毎日のように基礎疾患を持つ方や高齢者の死亡が報道されています。

 

新型コロナウイルスの感染力は普通のインフルエンザウイルスとさほど変わらず、致死率もインフルエンザ並みの0.2%程度ですが、年齢とともに免疫力は低下していくため致死率は高くなり、40代では0.4%、50代で1.3%ですが、60代が3.6%、70代は8%、80歳以上になると15%にもなります。

 

いかに高齢者が感染症に脆弱かが数字に表されていますが、これはガンでも同じです。

日本では高齢化の影響を受け、年々ガンに罹患する患者数も、ガンで死亡する患者数も増加傾向にあります。

 

男性の場合、55歳までにガンになる可能性は5%程度ですが、65歳では15%、75歳では3人に1人にまで上昇します。

しかし、女性の場合は若年の時からガンに注意する必要があります。

女性が罹患する可能性の高い子宮頸ガンや乳ガンは若年から罹患する可能性があり、早期からの対策が非常に重要になるのです。

 

そこで本書では、ガンの発症における年齢や性別による違いや、その上で我々の取るべき対策について解説していきます。

<ガンと年齢の関係性とは?>

 

 

我々の体は常に新陳代謝が行われ、古い細胞は消滅し、その代わりに新しい細胞が作られています。

細胞は自分の設計図である遺伝子情報を元に、その遺伝子情報をコピーすることで自分と全く同じ細胞を新しく作り出し(これを細胞分裂という)、常に新陳代謝を繰り返しているわけです。

 

しかし、その新陳代謝の過程で細胞の遺伝子情報が徐々に経年劣化し、遺伝子に傷がつき始めると、コピーミスが起きてしまいます。

このコピーミスによって生み出される細胞こそがガン細胞です。

この「遺伝子情報の経年劣化」は加齢とともに増加していくため、高齢になればなるほどガン細胞が発生しやすくなるわけです。

 

実際に、毎日我々の体内には5000個ほどのガン細胞が発生していますが、その都度免疫細胞によって発見され、殺されています。

免疫細胞は、体内の細胞を自己かどうか判断し、異物と判断したものを攻撃する細胞であり、主に体外から侵入した病原菌などを殺す役割を担っています。

 

これはガン細胞に対しても同様で、ガン細胞はコピーミスである以上自己の細胞に似てはいるものの異物であることに変わりはなく、免疫細胞は発生したガン細胞を見つけては殺してくれているのです。

 

しかし、加齢に伴い免疫細胞の機能は低下し、ガンを発見したり攻撃する能力が低下するため、ガン細胞が生き残りやすくなってしまうわけです。

これらの理由から、ガン細胞は加齢とともにどうしても増加してしまう傾向にあります。

 

実際にガン罹患率は男女ともに40代頃から徐々に増加し、90代になるまで右肩上がりに増加して行きます。

 

<ガンと性別の関係性とは?>

 

 

次に、男女間でのガンの違いについて見て行きましょう。

男女別で見ると、ガンは高齢者に多い病気であると同時に、女性よりも男性に多い病気でもあります。

2017年にガンで死亡した人は37万3334人ですが、男性22万398例、女性15万2936例で、男性が女性の1.44倍でした。

ガンと診断される人の数も、男性が女性の約1.3倍(2016年)です。

 

この理由は、ガンの原因の半分以上が生活習慣によるもので、喫煙も飲酒も運動不足も男性に多いことが主な原因と言えます。

喫煙による肺ガン、飲酒による食道ガンや膵ガンなど、多くの生活習慣がガンと直接的な関わりを持っているため、リスク要因を多く持つ男性の方がガンになる確率が高いという訳です。

 

しかし、意外なことに54歳までは、ガン患者の数は男性より女性に多いのです。55歳で男性が女性を上回り、それ以降は年齢ともに急激に増えていきますから、全体では男性が多くなりますが、30代に限れば女性のガン患者の数は男性の2.5倍(2016年)にも上ります。

 

なぜ、女性は若年層でガン罹患率が高いのでしょうか?

これは女性が罹患しやすいガンである子宮頚ガンと乳ガンによるもので、子宮頸ガンは30代、乳ガンは40代が発症のピークだからです。

 

<子宮頚ガンや乳ガンってどんなガン?>

 

 

子宮頚ガンは、性行為によってヒトパピローマウイルスが感染することで発症するガンであり、若年女性に発症しやすいガンです。

30-40代の女性の発症が最も多く、年間約1万人が罹患し、約3000人が死亡しています。

子宮頚ガンは女性の7割以上が一度は感染経験を持つごくありふれたウイルスですが、感染経験がなければ(性交渉未経験者であれば)子宮頸ガンは発症しません。

「性の解放」とともに好発年齢が若くなっており、今や30代がピークで、20代にも急増しているため、若年だからと言ってガンと無関係では無いのです。

 

次に乳ガンは、女性ホルモンであるエストロゲンの被曝量に依存して発症するガンです。

乳腺組織を形成するのに必要なエストロゲンと呼ばれるホルモンが相対的に過剰になることで、乳腺組織がガン化してしまうのです。

乳ガンは女性のガンで最も多いガンであり、年間で約9.5万人が罹患し1.5万人が死亡しています。

いかにエストロゲンに被爆したかが発症に関わるため、加齢とともに増加し、40代から一気に罹患率が上昇します。

 

またエストロゲンの原料はコレステロールであり、近年食文化の欧米化が進む日本では、コレステロール摂取量増加に伴い乳ガン患者数も増加傾向にあります。

その後、閉経を迎えると女性ホルモンの分泌量が低下し、乳腺組織への増殖刺激がなくなるため、乳ガンは40代の後半にピークがきます。

 

どちらのガンも比較的若年の女性に発症しうるガンであり、「若いから大丈夫」と過信していては手遅れになる可能性もあるのです。

 

その一方で、男性の場合は55歳までにガンになる可能性は5%程度ですが、65歳では15%、75歳では3人に1人にまで上昇します。

特に男性特有のガンである前立腺ガンは、加齢とともにどんどん増加傾向になります。

 

前立腺ガンは、女性の乳ガンと同様で性ホルモン依存性に発症するガンであり、男性ホルモンであるテストステロンによって発症します。

乳ガンと違う点は、男性には閉経が存在せず、高齢になっても男性ホルモンが出続けるため、乳ガンのように50代以降でも罹患率がピークアウトしません。

 

さらに、テストステロンの原料もコレステロールであり、乳ガン同様に患者数も増加傾向にあります。

以上のことから、男性の場合中年以降の発ガンに対して重点的に対策を取るべきなのです。

 

まとめ

以上を踏まえても、女性は比較的若年からガン対策を行うべきです。

 

ガンは進行してから発見しても手遅れになるため、早期発見、早期介入が最大の予防になります。

そこで我々の取るべき対策はとしては、国が公費助成で行なっている子宮頚ガンや乳ガンの検診に積極的に参加すべきでしょう。

また、公費助成の場合子宮頚ガンであれば20歳以上、乳ガンであれば40歳以上の女性に限定されますが、不安な方は20-30代からでも公費に頼らずご自身でチェックしても良いと思います。

 

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