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正しく理解していますか?「長期投資がリスクを軽減する」の意味

そもそもそれってどういう意味なの? 「長期」「分散」「積立」の意味を知るのが勝利への近道

 

投資雑誌やコラムなどでよく目にする「長期投資がリスクを軽減する」という言葉。

この言葉自体は正しいのですが、誤解している人も少なくありません。

今回は、投資の世界における「リスク」と「長期投資がリスクを軽減する」という言葉が何を意味しているのか解説します。

 

 

 

投資における「リスク」は2つの意味で使われる

 

リスク(risk)とは、将来起こる不確定な事象とその影響を表す英語です。ここでの不確定な事象には、悪いことと良いことの両方が含まれています。

投資の世界における「リスク」は、通常この意味で使われ、運用で得られる収益(リターン)の振れ幅(不確実性)が小さいことを「リスクが小さい」、大きいことを「リスクが大きい」といいます。

 

 

出典:日本証券業協会

 

金融商品のリスクが大きいとは、「大きな利益が得られる可能性がある反面、大きな損失を出すおそれもある」という意味です。

 

 

「リスク=危ないこと(危険)」と認識している人が多い

 

しかし、日本語で「リスク」というと、何か悪いことが起こる可能性や予想通りにいかない危険性、危険や危機の度合いなど、「危ないこと(危険・危機)」やその度合いを指すことが一般的です。

くの人が「リスク=危険」と認識しているため、投資におけるリスクも「損をする可能性」のことだと思っています。さらに、「リスクが低い=損をする可能性が低い=儲かりやすい」と誤解している人もいます。

しかし、投資におけるリスクとリターンは表裏一体の関係にあり、リスクが低い商品は損をしにくい反面、あまり儲かりません。

 

 

出典:日本証券業協会

 

 

長期投資で減らせるのは「投資するタイミングによる失敗」

 

同じ金融商品に投資する場合の「リターンの振れ幅(ブレ)としてのリスク」は、投資期間に関係なく、長期投資をしても軽減されません。

長期投資で減らせるのは、リターンの振れ幅ではなく、投資するタイミングによる失敗です。

投資した商品を1週間で売る場合、投資するタイミングが投資の成否を大きく左右します。1週間後に購入した価格よりも値下がりしていれば、投資は失敗です。

しかし、長期投資では、短期的に値下がりしても、最終的に値上がりしていれば投資は成功です。この場合、先ほどの1週間の値動き程度は誤差であり、投資するタイミングを気にする必要はなくなります。

 

 

出典:日興アセットマネジメント

 

 

長期的に右肩上がりで成長していく市場(商品)で投資することが大切

 

収益を上げるために必要なのは、長期的に右肩上がりで成長していく、期待リターンがプラスの市場(を投資対象とする商品)に投資することです。

いくら長期投資をしても、投資先が成長しなければ利益は出ません。

とはいえ、将来どの市場が成長するのか、投資する時点で分かるなら苦労はしないでしょう。

かつて経済の中心だったヨーロッパは、米国にその座を奪われました。その米国も安泰ではなく、成長著しい新興国が台頭してきています。

そこでポイントになるのが「分散投資」という考え方です。

時代の変化に伴って、世界の中でも成長する市場と衰退する市場が出てくるでしょう。しかし、全世界の市場に分散投資していれば、世界経済の成長による恩恵をもれなく享受できます。どの市場が成長するかを予想できないなら、すべての市場に投資してしまうわけです。

 

 

長期投資と分散投資を組み合わせることが大切

 

世界経済は連動しているため、リーマンショックのような暴落が起きれば、いくら分散投資をしても影響は避けられません。しかし、リーマンショックのような大暴落でも数年程度で元の水準まで回復し、そこから一段と大きく成長してきました。

暴落が起きてすぐに投資をやめてしまえば、損失を出して終わってしまいますが、投資を続けていれば、暴落を乗り越えて資産を増やせる可能性が高いのです。

しかし、特定の国や企業への投資では、国が財政破綻したり、企業が倒産してしまったりするリスクがあるため、長く投資を続けても報われるとは限りません。

リスクを抑えながら資産を増やしていくには、長期投資と分散投資の両方を組み合わせた長期分散投資が重要なのです。

定期的に投資を行う積立投資も、投資するタイミングが分散され、リスクの軽減効果があります。

 

 

長期・分散・積立投資はリターンを最大化する方法ではない

 

リターンが最大になるのは、短期間で大きく値上がりする商品(銘柄)に、なるべく早い時期に集中投資したときです。

長期投資、分散投資、積立投資は、いずれもリスク(リターンのブレ)を小さくし、運用を安定させる効果があります。しかし、リターンを「最大化」する方法ではありません。

 

とはいえ、どの商品(銘柄)がいつ値上がりするのか予想するのは簡単ではありません。予想が外れれば、大きな損失を出すおそれもあります。

これに対し、長期分散積立投資なら予想は基本的に必要なく、それなりのリターンを比較的簡単に得られます。

 

 

長期・積立・分散投資には投資信託がおすすめ

 

長期・積立・分散投資には、1つの銘柄で効率よく分散投資が可能な投資信託が適しています。運用益が非課税で有利に投資できるつみたてNISAやiDeCoでは、投資信託での運用が基本です。

 

投資信託とはどのような商品なのかは。次の記事をご覧ください。

 

 

 

 

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