現役世代の「私」のお金・健康に関するお役立ち情報

就業不能保険は在宅療養も対象になる⁉ 「条件」を要確認!

一般的な医療保険には在宅療養に対する保障がない!就業不能が長引くと医療保険では対応できません。

 

筆者は地方中核病院に勤める医師です。

近年、政府の方針として在宅医療にかかる患者さんが増えてきています。しかし、これまでの医療保険は在宅療養に対応していないものが多くあります。在宅医療とはいえ、働けないときには収入が途絶えてしまいます。

実際に自分が在宅療養にかかったときのことを想定して、医療保険の見直しや在宅医療に対応している就業不能保険についても知っておきましょう。働けないときにお金が手元にない状態は死亡よりもある意味リスクのあることです。

 

 

就業不能保険とは

 

就業不能保険は病気やケガで長期間働けない場合に備える保険です。医療の進歩によって、従来は助からなかった人が助けられるケースが増えた反面、障害が残り働くことができない患者も増えてきたことを背景に販売されるようになった比較的新しい保険です。保険ごとに決められた就業不能状態になったときに一定額を毎月給与のように受け取ることができます。

 

就業不能保険

 

 

 

就業不能保険は在宅療養も対象になる

 

支払いの対象になる「就業不能状態」には入院のほか、在宅医療も該当するのが一般的です。保険会社によって「就業不能状態」に違いがあることがあるので注意しましょう。

 

在宅療養は

 

  • 「医師の医学的見地にもとづく指示を受けて、軽い家事および必要最小限の外出を除き、自宅等で、治療に専念する」
  • 「日本国内の自宅等(病院または診療所以外の施設を含みます)で、医師の指示・診療に基づく医師または看護師等の訪問による「計画的な治療」を受け、その治療に専念している」

 

の状態と定められています。

保険商品によっては医師に「自宅で療養していた方がよい」と言われていても当てはまらない場合があります。そうした保険商品では公的医療保険制度における「在宅患者診療・指導料」が算定されているかが支払いの要件となっていることがあります。

 

※下記に対応する在宅患者診療・指導料(令和2年度)の一覧を示します。

 

  • C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(1日につき)
  • C001-2 在宅患者訪問診療料(Ⅱ)(1日につき)
  • C002 在宅時医学総合管理料(月1回)
  • C002-2 施設入居時等医学総合管理料(月1回)
  • C003 在宅がん医療総合診療料(1日につき)
  • C005 在宅患者訪問看護・指導料(1日につき)
  • C005-1-2 同一建物居住者訪問看護・指導料(1日につき)
  • C005-2 在宅患者訪問点滴注射管理指導料(1週につき)
  • C006 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料(1単位)
  • C007 訪問看護指示料
  • C007-2 介護職員等喀痰吸引等指示料
  • C008 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • C009 在宅患者訪問栄養食事指導料
  • C010 在宅患者連携指導料
  • C011 在宅患者緊急時等カンファレンス料
  • C012 在宅患者共同診療料
  • C013 在宅患者訪問褥瘡管理指導料

※C000 往診料、C004 救急搬送診療料は除く

 

 

自己判断の「働けない」は対象外

 

就業不能保険の支払いの対象は、医師の判断によって働けない状態です。自己判断での「体調がすぐれないから休みをもらおう」は対象外になります。

 

 

精神疾患は対象外や制限がある場合が多い

 

うつ病などの精神疾患で働けなくなる場合も注意が必要です。精神疾患は対象外の保険商品がほとんどで、対象になってもそのほかの傷病が原因の場合と比べて給付条件・回数に制限が加えられていることが多いです。

どのような場合に保険金が支払われるのかはしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

 

 

在宅医療は増加傾向

 

在宅医療は政策として推し進める方針です。平成20年の調査から上昇傾向で、今後も増加する可能性が高いと思われます。

在宅療養が就業不能保険の対象になるといっても、在宅療養を自分が受ける機会はないのではないかと思う人もいると思います。確かに、全体的には在宅療養の数は少ないのですが、その数は年々増えてきています。対象になる人は大半が高齢者ですが、若年層にも一定数の人がいます。

厚生労働省の「平成29年患者調査」では調査日における在宅医療の推計外来患者数は約18万人です。同調査では、入院患者数は約131万人、外来患者数は約719万人と推計され、それと比較すると在宅医療の規模はかなり小さいものです。

 

在宅患者訪問診療算定

 

 

 

まとめ

 

入院に対してだけではなく、就業不能保険は在宅療養も対象になります。ただし、自己判断での在宅療養は対象になりません。また、病気によっては対象になっていない保険商品もあります。医師の指示による療養であっても、「在宅患者診療・指導料」が算定されていることが給付金を受け取る要件になっている保険商品もあります。就業不能保険を選ぶ際には「自分にとって必要な」保険商品を見極める必要があります。

 

 

 

エピローグ もし、このようにお考えなら

今回のコラムはいかがでしたか?既にご存じの情報もあれば、「そうなんだ」「知らなかった」といった情報もあったのではないでしょうか?

 

昨今、働けない状態に陥った場合の保障が注目されています。感染症などの場合、急に明日から仕事ができなくなることも考えられ、治療費などの出費と収入ダウンの“Wパンチ”に見舞われる可能性もあります。

 

そんなときに頼りたいのが社会保障制度や勤務先の福利厚生制度ですが、最近は、「自分が利用できる制度はにはどんなものがあるのか?」を事前に情報収集されている方が増え始めているようです。

 

「収支のバランスが崩れた場合はどうする?」「ライフプランにはどんな影響がある?」などの対応策を具体的にイメージできないという方は、下方の「関連するおすすめ記事」の中から知りたいと思われるコラムを選択して、情報をアップデートしてみるのはいかがでしょうか?

 

また、今回ご確認いただいた情報をもとに「自分に合った具体的な対応策を考えておきたい」と思われる場合は、直下(黒いボタン)の 「ぜひ、お気軽にご利用いただきたいメニューはこちら」 をタップしてください。皆さんのセルフチェックをサポートするメニューをご確認いただけます。

 

ぜひ、お気軽にご利用いただきたいメニューはこちら:

 

アップデートメニュー

 

 

今回の記事に関連するおすすめの記事はこちら:

 

 

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事