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どこまで知っていますか?「がん」にまつわる基礎知識

人は誰でもがんになる可能性がある。詳しく知れば、がんとの闘い方も見えてくる。

 

「がん」にはどのようなイメージがありますか?治らない病気、自分には多分関係のない病気、そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。

でも実は、「がん」はそれほど他人事ではありません。若いから大丈夫な病気ではないのです。

 

 

2人に1人は「がん」になる

 

現在の日本では、男性、女性共に2人に1人が一生のうちに「がん」と診断されます。これは益財団法人がん研究振興財団「がんの統計’17」によるものです。年齢や性別により、リスクの度合いに差はありますが、がんは多くの人にとって身近な病気となりました。

 

とはいえ、怖いというイメージはあっても、自分にはどこか関係ないことのように感じていないでしょうか。

 

そもそも「がん」という言葉ですが、これは悪性腫瘍の総称です。そのため肺がんや胃がんだけではなく、白血病なども含まれます。

また、「癌」と感じで書かれているものも目にしたことはあるでしょう。最近では「癌」と書くとインパクトが強いという理由から記載されていることもあるようです。

このようながんにまつわる情報をご紹介していきましょう。

 

 

がんは毎日できている?

 

がんの発生原因は、遺伝子異常です。

これはどんな人にでも多少は起こっていることで、ひとつのがん細胞が発生しても成長する前に免疫力などにより排除されています。しかし、年齢を重ねるとがん細胞が発生する頻度も高くなりますが、その一方で、がんを排除する力は弱くなってしまいます。高齢になるほどがん患者さんが増えるのはこうした理由もあります。

 

がんが毎日体にできていると思うと心配になるかもしれませんが、多くの場合は自分の免疫機能などにより守られています。あまり神経質にならず、規則正しい生活を送ることをおすすめします。

しかし、両親兄弟など近しい親族にがんの人がいるならば、「もしかすると自分もがんになりやすいかもしれない」という意識をもっておくことも大切です。

 

 

がんは遺伝する?

 

家族性大腸腺腫症など、遺伝性疾患では高頻度でがんが発生しています。また、家族や親類などにがんを患った人が多い場合は、がんが発生する確率が高まります。

特に最近では、乳がんの中に遺伝性の高いものがあることが分かってきましたし、大腸がんや泌尿器のがんも遺伝性のあるものが分かってきました。

しかし、家族にがんを患った人がいない場合でも、がんが発生しないとは限りません。定期的にがん検診を受けることで、早期発見・早期治療へと繋げましょう。

 

 

若い人はがんが進行しやすい?

 

「若い人はがんの進行が早い」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。しかしこれは必ずしも正しいことではありません。がんの種類にもよりますが、進行の早さには年齢があまり関係ないことも多いのです。

 

このような話が広まっている背景には、胃がんの種類によってはそのような傾向が見られることがあるからかもしれません。

 

そもそも30歳以下の胃がん発生頻度は少ないのですが、もし発見されたとしても、がん細胞は「低分化腺がん」がほとんどです。これは進行が早いがんです。

一方、80歳以上の高齢者の場合では「高分化腺がん」が多く、こちらは比較的進行が遅いとされています。このようなことを一括りに、若い人のがんは進行が早いといっているのかもしれません。

 

ただしこれは、胃がんの種類の話。場合によってはやはり「若い人の方が進行が早い」ケースもゼロではありませんから、体調の変化に早く気付くこと、そして適切な医療を受けることが、「がんになっても死なない」ためには必要なのです。

 

 

がんの痛みの原因

 

がんは「痛い」というイメージがあるのではないでしょうか。がんの痛みは、大きく3つに分けることができます。

 

  1. がんの広がりや転移によって生じる痛み
  2. がんの治療に伴って生じる痛み
    (例:手術後の痛みや放射線治療、化学療法による神経障害や口内炎といった副作用による痛み)
  3. 全身衰弱や合併症による痛み。
    (例:腰痛や床ずれ、手足のむくみ、新たに合併した疾患による痛み)

 

いずれの場合も、がん患者さんによっては「耐え難い痛み」となることがあります。その時々の痛みに合わせた、適切な治療が行われます。

 

 

がん検診は行くべき?

 

 

健康に問題を感じていない場合では、検診に行く時間は勿体ないと思うかもしれません。しかし、定期的に体の状態を確認することはとても大切です。検診を受けなかったことで、がんの発見が遅れてしまえば、治療のための時間は増えてしまいますし、「もう少し早く発見できていれば…」という悲しい結果にもつながりかねません。

 

例えば、女性特有の子宮頸がん検診と乳がん検診の受診率を、諸外国と比べたデータがあります。集計されたのが2013年と少し古いデータですが、

 

  • 子宮頸がん検診受診率:アメリカ85%に対し、日本は37.7%
  • 乳がん検診受診率:アメリカ80.4%に対し、日本は36.4%

 

となっています。

日本もがん検診受診率は少しずつ増加傾向にはありますが、まだまだ「多くの人が受けている」ものではありません。その理由の一つに、面倒くささや恥ずかしさもあるのではないでしょうか。特に上記のような女性特有のがん検診は、検診を受ける施設が違うことが多いため、健康診断のついでに受けることが難しい場合もあります。検診の方法に対する恥ずかしさもあるでしょう。

しかし、がんの種類によっては初期の自覚症状が気付きにくいものもありますし、がんの進行が早い場合には「気づいた時には手遅れ」となることもあります。また、治療にかかるお金も莫大にかかってしまうかもしれません。

早期発見・早期治療のためにもがん検診はきちんと受けるようにしましょう。

 

 

病気との向き合い方

 

がんの場合、罹患するリスクを下げる方法が見つかりつつあります。

がんに罹りたい人はいないはずです。そうであれば、リスクを下げる方法を試してみる価値があるはずです。

また、近年では「がんをごく早期に発見する方法」も見つかってきていますし、かつては治らなかったがんも治る方法がいくつも見つかっています。

2人に1人ががんになるならば、「自分は大丈夫」ではなく、「もしかしたら自分も…」へと考え方をシフトしていきましょう。そうすることで、がんとの闘い方も見えてくるはずです。

 

がんに限らず、どのような病気でも罹患すると自分自身が辛いのはもちろんなのですが、支えるご家族も辛い思いをします。

一昔前と比べると平均寿命は延び、人生100年といわれるようにまでなりました。病気のリスクは、長い年月を生きることになったからこそ大きくなりがちです。「自分の健康は自分で守る」という意識を、このような時代だからこそ大切にしましょう。

 

 

まとめ:「自分もがんになる可能性がある」ことを忘れずに

 

若いからとか、家族や親せきにがん患者さんが居ないからとか、「自分はがんとは関係ない」という考えは、非常に危険です。近年は医療の進歩により「治るがん」も増えてきましたが、それでも日本人の死因のトップは現在でも「がん」であることには変わりないのです。

今や、2人に1人はがんになる時代。自分の体と向き合って、がんにならない生活を心がけるとともに、少しの変化に気付けるようになりましょう。

 

 

 

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