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持病があるのに保険の更新時期!そんな時に有効な転換(下取り)とは?注意点を解説

「持病があるのに、契約中の医療保険は定期タイプ。あと数年で保障が切れてしまう」

こんなときは、どうすればいいのでしょうか?

できることなら、今からでも終身型の医療保険に見直したいところです。

 

でも、持病があると新しい保険に見直しできるかわかりません。

持病がある人向けの医療保険なら加入できるかもしれませんが、その場合は今よりも保険料が割高になるか、保障額が下がる可能性があります。

 

そんなときに有効なのが、生命保険の「転換(下取り)」制度です。

ただし、この「転換」にはメリットもあれば注意点もあります。

 

そこで当記事では、転換の概要と注意点、転換制度を有効活用できるケースについて解説します。

保険の転換とは、今の契約を下取りに出して新契約を結ぶこと

 

保険の転換とは、今の契約を活用して新しい保険を契約する方法です。

 

現在の契約で積み立てている解約返戻金等を下取りに出し、そのお金を新しい契約の一部に充てます。

自動車で例えると、中古車の売却価格(残存価値)を元手に新車を購入するイメージです。

 

これだけ聞くと、古い保障を活かして新しい保障の契約に変更できるのはお得と感じるかもしれません。

しかし、転換制度には以下4つの注意点があります。詳しく見ていきましょう。

 

 

 

転換制度の4つの注意点:

 

転換制度の主な注意点は、以下の4つです。

 

 

1.現在の契約と同じ生命保険会社の商品でなければ利用できない

∟違う保険会社の商品がいいと思っても使えない

 

2.現在の契約は消滅する

∟現在の契約を残したまま追加で保障を付けるのではなく、元の契約は消滅する

 

3.告知または診査が必要

∟告知内容によっては転換制度を利用できないこともある

 

4.転換時には保険の予定利率が再計算されるため、予定利率が下がる可能性が高い

∟予定利率が下がれば、保険料は引き上げられる

 

 

特に気をつけたいのが上記「4」の予定利率です。

現在は予定利率が過去最低水準になっているため、今転換すれば以前より予定利率が下がり、保険料が上がってしまう可能性が高くなっています。

予定利率が高い契約を保有している場合は気をつけましょう。

 

ただし、転換によって保険料が上がっても、積立部分のお金を新契約の保険料に充当する設計であれば、保険料は下がります。

この場合、保険料が下がっているように見えますが、要はこれまで自分が積み立ててお金で一時金(頭金)を払い、以降の保険料支払いを安くしているようなものです。

 

一概に転換すれば保険料がお得になる!とは言えません。

 

 

転換制度を有効に使えるケースは2つ!ポイントは「既得権の利用」

 

転換制度は保険料が上がる可能性などの注意点があるため、お得に見えてお得ではないケースも多々あります。

しかし、人によっては転換制度を有効に活用できることもあるのです。

 

ここでポイントになるのは、既得権の利用です。

 

既得権とは、「契約期間中のみ有している権利」のこと。生命保険においては、以下の2つのケースで、既得権の利用が有効になることがあります。詳しく見ていきましょう。

 

※ここでは元の契約=被転換契約、後の契約=転換後契約と表記します。

 

 

 

1.契約後、健康状態が悪化している

通常、健康状態が悪化してしまうと、新しい医療保険への見直しは難しくなります。

 

そのため、冒頭でお伝えしたように「健康なうちに加入した医療保険の保障が切れてしまうが、持病がある状態で新しい保険に見直せるだろうか」という不安が出てくるものです。

持病がある状態で告知をしても、引き受けを断られるか、条件付き契約での引き受けとなり、その病状に対しての保障はされないというケースになるのが一般的です。

 

ところが転換制度を使えば、元々あった被転換契約の保障を新しい転換後契約に引き継げることがあります。

たとえば、元の被転換契約に入院日額1万円の保障があるとします。

この「入院日額1万円」という保障が、保険の既得権です。

 

これまでの契約で得た既得権があるおかげで、健康状態が悪化しても元々の保障の範囲で新しい保険に見直すことができるのです。これが転換制度のメリットです。

 

もちろん、転換時には告知が必要になるため、告知の内容によっては転換できないこともあります。

しかし、実際には「大病というほどではないけど、健康状態が悪化して持病ありになった」という程度であれば、転換制度を利用できる可能性は十分あるでしょう。

 

したがって「健康状態に不安があるけど、保障を見直したい」という人には、転換制度は検討の余地があるのではないでしょうか。

 

 

 

2.保険会社を変えずに見直すとき

見直しの対象が同じ保険会社の商品なのであれば、転換のほうがお得と言えます。

転換と解約でそれぞれ得られるお金の価値を比べると、基本的には転換の下取り価格のほうが多くなるからです。

 

転換で得られるお金とは、被転換契約の下取り価格(元の保険契約の積み立て)のことで、解約で得られるお金とは、解約返戻金のことです。

同じ保険会社の場合、基本的には解約返戻金よりも下取り価格のほうがお金の価値が高くなるということです。

 

そのため見直す対象が同じ会社の保険であれば、より多くの金額を新しい保険の保険料に充当できる転換のほうが有利です。

 

自動車で言えば、代理店を通さず自分で中古車を売却・新しい自動車を購入するよりも、転換代理店を通して新しい自動車を購入したほうが、中古車の価値を高く見積もってもらえるのです。

結果として、新しい自動車購入の代金を低くできてお得ということになります。

 

保険会社を変えずに契約を見直すのであれば、既得権を利用できる転換制度は検討の余地があるでしょう。

 

 

まとめ

 

転換制度にはいくつか注意点もありますが、健康状態が悪化している人や、保険会社を変更する気がない人にとってはメリットもあります。

これまでの保険加入実績とも言える既得権を利用し、若い頃からの保険契約を転換でつないでいくことも、見直しの一手段として覚えておきましょう。

 

なお、「既得権」については、当記事で解説した内容以外にも注意すべきポイントがあります。

詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。

 

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続けてご覧になっていただきたい記事はこちら:

教えて!生命保険の「既得権」ってなに?

 

 

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