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介護保険と障がい福祉サービスどう違うの?適用関係を解説します。

日常生活の介護支援「介護給付」、自立生活へ向けた支援と就労支援の「訓練等給付」があります。

 

筆者は地方中核病院に勤務する医師です。

ここでは介護保険と障がい福祉について解説しています。結論からいうと介護保険で対応できない部分を障がい福祉サービスが対応してくれます。介護保険で対応できない理由は年齢であったり、サービスの種類であったりさまざまです。どちらも適切に利用することで障がい者の方が暮らしを豊かにするための手段になります。ぜひ、介護保険と障がい福祉について学んでみましょう。

 

 

障がい福祉サービスと介護保険の基本をそれぞれ解説

 

それぞれについて細かくみていきましょう。

 

障がい福祉サービス

 

障がい者総合支援法が定めるサービスです。

「介護給付」と「訓練等給付」のサービスを提供しています。

 

 

障がい者ごとにそれぞれのニーズにあったサービスを利用します。

障がいのある人が対象です。障がいとは主に以下のような状態のことです。

 

  • 身体障がい
  • 知的障がい
  • 精神障がい (発達障がいを含む)
  • 難病患者

 

介護保険

 

介護保険の保険者は全国の市町村です。その地域の被保険者が納めている介護保険料と税金で保険金は支払われています。

 

  • 65歳以上の人で、要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。
  • 40歳から64歳の人で、加齢に伴う疾病が原因で要介護 (要支援) 認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。

 

この2つの関係を解説していきます。

 

 

障がい福祉サービスと介護保険はどちらが優先?

 

65歳以上の方や40歳から64歳で特定疾病により介護や支援が必要になった場合、基本的には介護保険を受けることになります。

ただし、心身の状況に応じて必要な障がい福祉サービスを利用することもできます。基本の優先順位はありますが、利用者の置かれている状況や求めるサービスによっては介護保険が優先となる場合でも障がい福祉サービスを利用できます。柔軟に利用できるように制度設計されています。

 

 

障がい福祉サービスと介護保険の違い

 

障がい福祉サービスのみで提供されるのは以下のものです。自立や就労に向けた支援を中心にしています。

 

  • 行動援護
  • 自立訓練
  • 就労移行支援
  • 勤労継続支援

 

障がい福祉サービスと介護保険は異なるサービスですが、重複する部分もあり、その場合は介護保険が優先されます。細かい部分の制度の違いを表にしました。

 

※利用者負担が高額になった場合は、申請すれば高額介護サービス費として支給

 

このように障がい福祉サービスと介護保険では指標、支給限度、利用計画の作成者、利用者負担が異なります。

 

 

障がい福祉サービスと介護保険の関係

 

大きな違いは年齢です。介護保険は40歳以上が対象です。大きな流れとしては、年齢に応じて障がい福祉から介護保険に移行します

障がい福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合には、介護保険サービスを優先的に受けることになります。

したがって、障がい福祉サービスは介護保険で手が届かないところに支援をするサービスです。なんらかの事情で介護保険サービスが利用できない場合も、障がい福祉サービスによる支援が必要と判断された場合には受けることができます。

ただし、必要な障がい支援区分が認定されていなければなりません。

 

障がい福祉サービスを利用していて介護保険に移行するのは以下のような場合です。

 

  • 65歳になるとき
  • 16疾病該当者で40歳となるとき
  • 16疾病該当者で40〜64歳であって生活保護受給者の生活保護が廃止された場合

 

【特定16疾病 (加齢と関係がある16疾病)

 

  • 末期がん
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靭帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

どちらも対象になるときには介護保険が優先して使用されますが、サービスを必要とする人の状況に応じて必要なときは障がい福祉サービスを利用できるように設計されています。

市町村は申請に係る障がい福祉サービスの利用については、具体的な内容を聞き取りによって把握する必要があるとしています。

 

障がい福祉と介護保険の仕組みがあることで、障がい者に寄り添って話を聞き具体的なサービスを提供することができます。

 

 

 

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