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公的介護の 「要介護度」 ってどうやって決まるの?途中で変わったりするの?

認定結果によって、公的介護保険のサービスに差が出るほか、「介護保険」 の給付にも影響があります。

 

この記事をお読みになっている方の中には「そろそろ親の介護の事を考えないと」「自分の将来の介護が気になる」という方が多いのではないでしょうか。

介護が必要になった時のファーストステップは『介護保険を使う』ということになりますが、介護保険は申請してすぐに使用できるものではなく『要介護認定』を受ける必要があります。

また要介護認定には重症度によって階級が設定されており、介護にあたって受けられるサービスも異なってきます。

今回の記事では介護についての将来的な不安があるという方に向け、介護保険の第一歩である要介護認定について解説していきます。

 

 

要介護認定とは

 

要介護認定の決定方法について解説する前にまずは介護保険制度における要介護認定の基礎知識について解説していきます。

 

 

そもそも要介護認定とは何のためにあるの?

 

ひとえに『介護を受ける人』といっても疾患の重症度や日常生活における困難度によってその方を取り巻く環境は様々です。当然サービスの必要性にも違いがあります。

要介護認定とはそんな介護保険サービスを希望される方に対して『どのような介護をどのくらい施すべきか?』という事を判定するために使われます。

介護保険についての知識があまりない場合、65歳になったときに交付される『介護保険被保険者証』を提示すればサービスを受ける事ができると勘違いしがちですが、サービスを受けるためにはまず要介護認定を行ってもらい『要介護』『要支援』という判定をもらう必要があります。

『要介護』と『要支援』とは介護を必要とする度合いによって分けられる区分で、状態の軽い順によって以下の7つに区分されています。区分によって受けられるサービスの内容や支給の限度額が異なります。

 

<要介護と要支援(症状の軽い順・支給限度額の安い順)>

 

  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

 

それぞれに受けられるサービスや支給限度額はこの後詳しく解説していきます。

 

 

要介護認定は誰がどのようにして行うか?

 

実際に要介護認定を判定してもらうためにはまず『介護保険要介護・要支援認定申請書』を役所の窓口に提出する必要があります。

その後市町村職員、または委託を受けたケアマネジャー(介護保険の司令塔のような役割)による聞き取り調査が行われます。

この聞き取り調査で病気の状態や日常生活の困難度を聞き取り『一次判定』を受けることになります。

その後介護認定審査会の『二次判定』を経て正式な要介護認定が下されることとなります。

 

 

以上の表のような流れを経て、要介護認定を受けることができれば『認定結果通知書』と『被保険者証』が市町村より郵送され介護サービスを受けることができるようになります。

 

 

要介護認定はどうやって決まるのか?

 

要支援1〜要介護5までのどの要介護認定を受けるのかは申請者の状態によって変わるというご説明をこれまでしてきました。

ここからは具体的にどのような条件によって決まっていくのか解説していきます。

 

 

各要介護認定の生活及び心身状態のイメージ

 

具体的な条件の解説に入る前に、各要介護度における心身の状況、生活状況におけるイメージを解説します。

 

 

これらは厚生労働省老人保健課による『要介護状態区分別の状態像』などの資料を参考に作成しています。実際は要介護度別に定義はありませんのであくまで参考としてください。

 

 

要介護認定におけるチェック項目

 

要介護認定では主に下記の5つの項目に分けられます。

 

  • 身体機能・起居動作
  • 生活機能
  • 認知機能
  • 精神・行動障害
  • 社会生活への適応

 

また過去14日間に受けた特別な医療(点滴・褥瘡の処置など)も重要なポイントになります。

 

 

このような項目が聞きとりや実際の動作を通して確認されます。

 

 

要介護認定の申請方法

 

ここからは具体的な要介護認定の申請方法について解説します。

 

【申請場所】

住んでいる市町村の役所の窓口で申請を行います。『介護保険課』など窓口の名称は市町村によって異なるため係員にお問い合わせください。

また介護保険の申請は代行してもらうことも可能です。

その場合は近隣の『地域包括支援センター』『居宅介護支援事業者(ケアプランセンター)』に問い合わせをしましょう。

 

【申請に必要なもの】

申請に必要なものは以下の通りです。

 

  • 印鑑
  • 介護保険要介護・要支援認定申請書
  • 介護保険被保険者証(40~64歳の場合は健康保険被保険者証)
  • 主治医の意見書(かかりつけ医)

 

主治医(かかりつけ医)が特にいない場合は市町村が指定する医師の下で診察を受け、その後、申請書に医師の名前、病院名、連絡先などを記入する必要があります。

 

 

要介護認定の流れと要介護度による違い

 

ここから要介護認定をうけ、実際にサービスを受けるまでの簡単な流れと各要介護度別にどのようなサービスを受けることができるのかについて解説していきます。

 

 

要介護認定後の流れ

 

介護保険サービスを受ける為に最も重要な事は『ケアプラン』を作成してもらうことです。通常はケアマネジャーと呼ばれる専門家に作成をしてもらいますが、厳密には要支援と要介護で流れが異なります。

 

 

要支援の場合

 

要支援の場合ケアプランは『地域包括支援センター』が作成します。

要支援の方が受けるサービスは介護サービスではなく厳密には『介護予防サービス』となります。

 

 

要介護の場合

 

居宅介護支援事業者にプラン作成を依頼します。

介護についての理想や希望はしっかりとケアマネジャーに伝えるようにしましょう。

ケアプランが完成すれば実際の介護サービスが開始されていきます。

引き続きケアマネジャーと綿密に連携をとりながら進めていきましょう。

 

 

要介護認定別の違いについて

 

上記でも説明してきたように要介護度は単なる状態別の分別ではなく、要介護度によって受けられるサービスや給付の限度額が決定します。(介護度が重い方がお金と時間がかかるという考え方)

介護保険においてはこの限度額の範囲内は自己負担1~3割(80%以上は1割)で利用ができます。

しかし限度額を超えた場合は自己負担となります。

(要介護5の場合、限度額ぎりぎりまでサービスを使用したとして1割の自己負担額は約36000円)

下記では令和元年最新のものを記載しています。

 

 

※支給限度額は1単位=10円で計算しています。おおよその金額で参考としてください。

 

また日常生活は基本的に一部の介護を行えば遂行できると考えられる要支援(要介護1)状態ではベッドのレンタルなど一部要介護状態で受けられるサービスが使用できない可能性があります(一部特例あり)

介護される側の状態を鑑みて明らかに限度額が足りない、病気や事故により明らかに日常生活の状態が変わった場合は介護度の変更をケアマネジャーに相談してみましょう。

 

 

さいごに

 

いかがだったでしょうか。

長寿国となった日本において親の介護問題はほとんどの人に訪れる可能性の高いものとみて良いものといえます。

特に今回の要介護度を理解するメリットは『どのくらいお金がかかるか』という一つの目安ができることでしょう。

大部分を介護保険でまかなうことができるとはいえ、介護サービスを受けるためには『自己負担』が発生することを忘れてはなりません。

いざ介護が必要になってからお金の事で困らないように今から備えておきましょう。

今回の記事が皆様の介護におけるお金についての不安を解決する情報になれば幸いです。

 

 

 

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