もしかして、「要介護」になってしまう危機感より「がん」に対する危機感の方が強くないですか?
今や日本人の死因第一の「がん」。とはいえ「がん」で死に至るまでには何らかの治療を受けているはずですから、日本人の中で「がん治療を受けている人」はそれなりに居ると想像できます。しかし、日本は世界のトップを走るほどの「超高齢社会」であり、高齢者人口の割合が非常に高い国です。
では、高齢者の中で介護が必要な「要介護者」の人はどれくらいいることになるのでしょうか。実は「がん治療中の患者数」よりもずっと多いことが分かっています。
日本人の死因第一位のがん、「2人に1人」と言うけれど
日本では、2人に1人ががんになると言われています。これは、一生のうちにがんと診断される確率のことです。日本人の半分はがんと診断されるのですから驚くべき確率です。
それでは実際にがん患者の数としてはどのような動向にあるのでしょうか。国立がん研究センター がん対策研究所の予防関連プロジェクトとして実施された、「日本人におけるがんの原因の寄与度推計(JAPAN PAFプロジェクト)」では、2015年から5年ずつ区切った2039年までの推計期間ごとの年平均有病数の予測値を報告しています。有病数とはある一時点における特定の疾患の患者数のことです。調査結果によると、推計期間2015年-2019年で全がんの年平均有病数は、男性1,734,060人、女性1,399,380人としており、そこから20年後を推計期間とした2035年-2039年平均では、男性1,844,130人、女性1,671,630人と増加を予測しています。これは男性で6%、女性では19%の増加を見込む数値となっています。
年齢とともにがんと診断される件数は増えていくと言われていますが、同じように年齢とともに増えていくのが「要介護」です。次に要介護者の動向について見ていきましょう。
介護が必要な人はどれくらい?
ご存知のとおり、日本は世界でも有数の超高齢社会となっています。超高齢社会とは、65歳以上の人口が総人口に占める割合が21%を超えている社会のことを言います。ちなみにその割合が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会と呼ばれます。 日本が超高齢社会に突入したのは、2007年ですから、もうすでに15年以上そうした社会が継続し、2019年10月1日現在の高齢化率は28.4%にまで到達しています。 戦後ベビーブームで誕生した人口ボリュームの大きい団塊の世代が、高齢者(65歳以上)となる2015年、75歳以上の後期高齢者になる2025年に人口構造が大きく変化する年と言えるでしょう。また、出生率は上がらず少子化にも拍車がかかっています。
高齢者が増加すると介護や支援を必要とする人が増えることになります。厚生労働省が公表している「介護保険事業状況報告(年報)」によると2019年度の要介護(要支援)認定者数は約669万人で、これは前年度より1.6%増加しているといいます。認定者数は毎年右肩上がりで推移し、公的介護保険制度が始まった2000年度のおよそ2.6倍となっています。
介護保障を受けるための要件
ご存知のとおり、日本は世界でも有数の超高齢社会となっています。超高齢社会とは、65歳以上の人口が総人口に占める割合が21%を超えている社会のことを言います。ちなみにその割合が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会と呼ばれます。日本が超高齢社会に突入したのは、2007年ですから、もうすでに15年以上そうした社会が継続し、2019年10月1日現在の高齢化率は28.4%にまで到達しています。戦後ベビーブームで誕生した人口ボリュームの大きい団塊の世代が、高齢者(65歳以上)となる2015年、75歳以上の後期高齢者になる2025年に人口構造が大きく変化する年と言えるでしょう。また、出生率は上がらず少子化にも拍車がかかっています。
高齢者が増加すると介護や支援を必要とする人が増えることになります。厚生労働省が公表している「介護保険事業状況報告(年報)」によると2019年度の要介護(要支援)認定者数は約669万人で、これは前年度より1.6%増加しているといいます。認定者数は毎年右肩上がりで推移し、公的介護保険制度が始まった2000年度のおよそ2.6倍となっています。
また先に、年齢とともに増えるのが要介護とお話ししましたが、同報告からです年齢別に認定者をみると明らかになっています。
・区分別認定者数
2号被保険者(40-64歳) 約12.8万人(男性:7.1万人、女性:5.7万人)
1号被保険者(65-74歳) 約72.7万人(男性:36.6万人、女性:36万人)
1号被保険者(75歳以上) 約583.3万人(男性:167.4万人、女性:415.9万人)
なおこの調査は、介護保険制度の施行に伴い、介護保険事業の実施状況を把握し、今後の介護保険制度の円滑な運営に資するための基礎資料を得ることとし、毎年行われています。
要介護者数>がん患者数 「介護」の世界はすぐそこに
加齢とともに増えていくがん患者と要介護者数ですが、その数をよく見てください。誰がかかってもおかしくないとも言われるがん、その患者数が約313万人、要介護認定者数は約669万人です。「誰がかかっても」どころではないのかもしれません。それは私たちの周囲の高齢者の話であり、それは親や親族といった、とても近しい人の話なのですから、もはや他人ごとではないところまできているのです。
当然自分自身も年を取るわけですから、がんをはじめとした病気や介護についてもっとよく考えていかなければなりません。年齢を重ねることで増加していくことは明らかですが、考えて対策する時間はまだあります。早めの対策をしておくことで、より長い時間健康でいきいきと過ごしていけるのではないでしょうか。また、もしも健康を害するようなことになったとしても、そうなったときのことを今からきちんと考えておく、そういったことが必要になるのです。
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