現役世代の「私」のお金・健康に関するお役立ち情報

「がん」が体内に住み始める理由は?なぜ住み続けるの?

 

今日に至るまで多くの人がガンでその命を落としてきました。

今や2人に1人がガンになり、3人に1人がガンで死亡する時代です。

そして、悲しいことに日本は先進国の中で唯一ガンが増加している国であり、死亡割合が最も高い国でもあります。

 

つまり統計だけ見れば、我々日本人は世界で一番ガンに対してもっと対策をしなくてはならない民族なのです。

しかし、多くの人はガンという存在は認識していても、ガンについて理解し説明できません。

 

そもそも人はなぜガンになるのでしょうか?

そして、なぜここまで医療が発達したにも関わらずガンは不治の病なのでしょうか?

ここまで多くの人がガンに罹患するわけですから、私たちもガンの基本的なことを理解しておかなくてはいけません。

 

そこで本書では、ガンの基本的な成り立ちや原因、我々に与える影響などについて詳しく解説していきます。

 

<なぜ人間はガンになる?>

 

 

なぜ、我々の爪や髪の毛は切っても切っても生えてくるのでしょうか?

なぜ、怪我をしてもいずれは傷口が分からなくなるまで綺麗に修復するのでしょうか?

 

皮膚や髪の毛、爪や腸管などの臓器は全て、その組織を形成する細胞が集合体となったものです。

つまり、たくさんの細胞が集まって組織は形成されており、なんと私たちの体全体で約60兆個もの細胞が存在しています。

 

組織の一部が損傷し失われた細胞は、周囲の細胞が細胞分裂することで補っていきます。

細胞分裂とは、自身の細胞内に含まれる遺伝子情報を元に、全く同じ機能、形態を有したコピー細胞を作り上げることです。

遺伝子とはまさにその細胞の設計図であり、その設計図をコピーすることで細胞分裂を行っています。

 

だからこそ、爪を切っても髪を切っても怪我をしても、同じように細胞が分裂し元の形に戻っていくのです。

決して爪を切ったところから髪の毛は生えませんし、髪の毛から爪も生えないのはこういった理由です。

 

しかし、あまりにも細胞の損傷と再生を繰り返してしまうと、細胞の遺伝子に傷が付いてしまい、遺伝子情報のコピーミスが起こってしまいます。

これこそが、正常とは異なる細胞、つまりガン細胞であり、基本的に死ぬことなく無秩序に増え続け、やがてかたまりとしての「ガン」となり、臓器の機能を阻害するようになります。

 

実は、毎日体全体の約1-2%の細胞は死んでは再生を繰り返しているため、健康な人の体にも多数(年をとると1日数千から数万個も)ガン細胞ができることがわかっています。

健常な人間であれば体内に発生した異物であるガン細胞を、その都度免疫細胞が発見して退治してくれるため発ガンに至りません。

 

しかし、ガン細胞はもともと自分の正常な細胞のコピーミスで発生しているため、体外から侵入した病原菌などと比較して、免疫細胞が発見しにくい異物なのです。

 

それでも免疫細胞は、できたばかりのガン細胞を攻撃して死滅させます。

私たちの体の中で、ガン細胞が1日5000個できているとしたら、毎日5000勝0敗の闘いが繰り返され、ガンを退治しています。

しかし、免疫による攻撃も人間のすることですから、攻撃ミスが起こります。このミスは年齢と共に、免疫力が低下することでも起こりやすくなります。
そして、生き残ったガン細胞が、時間をかけて「ガン」のかたまりになるのです。

 

<良性と悪性の違いとは?>

 

いわゆる腫瘍は良性と悪性に分類され、悪性腫瘍をガンと呼びます。

ともに腫瘍である以上、細胞が異常増殖していることに変わりはありません。

ではこの2つの違いとは何なのでしょうか?

 

  • 増殖の仕方

良性腫瘍は増殖の過程において、周囲の組織を圧排することはあっても、巻き込んで増殖することはありません。

それに対しガンは周囲の組織を巻き込むように広がっていき(浸潤)、血管やリンパ管を巻き込んでしまうと、他臓器にガン細胞が飛んでしまうウ(転移)可能性もあります。

 

  • 悪液質

ガンは、他の正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん奪ってしまい、体全体を衰弱させてしまいますが、良性腫瘍には悪液質はありません。

 

このように良性腫瘍とガンでは、増殖形式や形状、全身に与える影響など大きな違いがあります。

 

また良性腫瘍の場合は周辺組織に悪い影響がないため、あまりに巨大化して切除が必要な場合を除いて手術する必要はありません。

 

しかし、ガンの場合は極力早期に手術で切除するべきであり、一度ガンが転移して(生まれた場所の外へ出ていって)しまうと、完治は難しくなります。
逆に言えば、ガンは進行して転移する前に、症状のないうちに検診をして、早期発見できれば治すことが可能な病気でもあります。

 

前述したようにガン細胞が増える理由は、無限の細胞分裂によるものです。

つまり、1個が2個、2個が4個、4個が8個、8個が16個と、時間とともに、倍々に増えていきます。

ガンは死なない細胞ですから、時間が経つほど数は増えていきます。

 

しかし、1つのガン細胞が検査で分かるほど大きくなるには、10年から20年の時間が必要です。

例えば乳ガンでは、1つの細胞が1㎝のガンのかたまりに成長するまで、細胞分裂で約30回、15年~20年といった時間が必要になります。

しかし、乳ガンが1㎝から2㎝になるには、たった3回の細胞分裂で済み、時間にすると1年半~2年で大きくなるのです。

倍々に成長していくため、ある程度大きくなってしまってからの成長は著しくなってしまうのです。

 

しかし、今の医療技術では1㎝以下のガンは検査でなかなか発見が困難です。

乳ガンの場合、早期ガンは2㎝未満を指すため、検査で発見できる早期乳ガンは概ね1~2㎝未満までということになります。
このことから、検診を1~2年ごとに最低1回は受けなければ、ガンを早期発見できないことがわかります。

 

<ガンになる原因とは?>

 

 

さて、冒頭で話した通り、「ガン=遺伝子情報のコピーミス」で発生します。

これは、細胞の破壊と再生が繰り返される過程の中で、細胞内の遺伝子に傷が付いてしまい、これをコピーしてしまった結果です。

 

では、この破壊と再生はなぜ起こるのでしょうか?

代表的な原因は、タバコです。

タバコに含まれるシアンやダイオキシンなどの有害成分が、気管や肺胞の細胞を持続的に損傷させ、長期にわたって破壊と再生が繰り返されることで発ガンに至ります。

現在の日本で最も死亡率が高いガンは肺ガンであり、タバコがこの世界から無くなれば、男性のガンの3分の1が無くなると言われています。

 

特に、若い人の喫煙は危険で、20歳未満で喫煙を開始した人は、非喫煙者の約6倍も肺ガンによる死亡率が高いと言われています。

肺ガン以外にも頭頸部ガン、胃ガン、食道ガン、肝臓ガンなどの増加にも繋がります。

逆に、タバコがあまり影響しないのは、大腸ガンと乳ガンくらいです。

 

まとめ

タバコと肺ガンの関係以外にも、飲酒と食道ガン、B型肝炎ウイルスと肝臓ガン、ピロリ菌と胃ガン、ヒトパピローマウイルスと子宮頸ガンのように、そのガンの発症に大きく関わる要因は、すでに多数同定されています。

そこまで分かっているにも関わらず、日本ではまだまだ対応が間に合っておらず、世界的に見てもガンの発症を予防できていない国なのです。

 

おすすめ

 

当サイトは、皆さんの各種リテラシーをアップデートする情報やコラムを多数掲載しています。

特に、今回の解説に連動したこちらの記事はおすすめです。直下(黒いボタン↓)の 「続けてご覧になっていただきたい記事はこちら」 からご確認ください。

また、他の情報が気になる方には、下方の 「今回の記事に関連するおすすめ記事」 をお勧めします。お好みに合わせてご選択ください。

けてご覧になっていただきたい記事はこちら:

「上皮内がん」って、普通の「がん」と何が違うの?

 

関連するおすすめの記事はこちら:

 

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。