糖分の摂取でかえって体がだるくなった⁉ 疲れの緩和には糖分の「摂取」ではなく、糖質の「〇〇」が有効!
家事や仕事でちょっと疲れを感じた時、チョコやキャンディーをついつい口に入れていませんか?疲れると「甘いものを食べて疲れを取ろう」ってなりますよね。でもこれ実は余計に体を疲れさせているとしたらどうでしょうか。
甘いものを食べると疲れが取れるというのはウソ?!
「甘いものが疲れを取る」とインプットされてしまったのはどうしてでしょう。
私たちが生命を維持し、手足を動かし、仕事をし、家事をするのは、脳が体中に指令を出しているからこそ。そしてその脳を働かせているエネルギー源が糖(ブドウ糖)なのです。脳以外の細胞も糖質をエネルギー源としていますから、糖が体に悪いというわけではありません。それどころか糖質無しでは生きていけないのです。
また、糖質を摂取すると、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が一時的に上昇し、エネルギー補給がなされるため元気になるというわけです。これが「甘いものを食べると疲れが取れる」という考えの正体です。
脳内麻薬のしわざ
おいしいものを食べると、「βエンドルフィン」という気分高揚や幸福感、痛みを和らげる効果が得られる神経伝達物質が脳内に分泌されることが分かっています。甘くて美味しいものを口にすると気分がよく感じるのはそのためです
。βエンドルフィンは、麻薬のモルヒネのような作用があることから「脳内麻薬」と呼ばれています。継続する苦しい状態から一転、陶酔感や快感を覚えるようになる「ランナーズハイ」は、βエンドルフィン分泌によるものです。
ただしこの脳内麻薬の効果は一時的なもので、ほどなく分泌量は低下していきます。
甘いものを食べた時に脳内で起こることがもうひとつあります。それは「ドーパミン」という脳で分泌される気分を上げる作用がある化学物質です。
気分があがることでさらにそれを繰り返したくなるというから驚きです。糖質を食べるたびに分泌され、気分が上がり、そしてまた食べるというまるで薬物乱用のような、いわば病みつきという状況になり、食べ過ぎてしまうという悪循環が起こります。
糖質を摂り過ぎると……?
糖質を摂取すると、前述のとおり血糖値が上がります。すると今度はその血糖値を下げようとするホルモン(インスリン)の作用で血糖値は急降下します。
インスリンの刺激はドーパミンの分泌量を低下させるため、なんとなく気分が晴れない、元気が出ない、だるさ、眠気といった変化を感じるのです。
摂取した糖質の量によっては、インスリン分泌量が過剰になり、血糖値の乱高下によって気分障害がさらに強くなり、鬱のような状態になることもあります。
じゃあ、どうすえばいいの?
疲れを取るつもりで口にしていたもので、まさか疲れを感じやすくしていたとは。
ではどうすればいいのでしょうか。答えは簡単です。
糖質を摂る量を減らせばドーパミン低下を避けることができるので、元気がない、気分が晴れない、疲れを感じやすいなどのリスクも減らすことができます。
また糖質は、ドーパミン低下以外にも不安や緊張を感じやすくする自律神経の交感神経を刺激するため、寝る前に糖質を摂ることを避けることで質の良い睡眠につなげることができます。睡眠の質は翌朝の心身の状態を左右しますので、一石二鳥ですね。
まとめ:疲れにくい体は自分でつくるもの?
なお、糖質はご飯やパン、麺類などの原料となる穀類、イモ類ではさつまいも、じゃがいも、かぼちゃなどの根菜類、果物、肉や魚の加工食品などにも多く含まれています。もちろん、ジュースやビールなどの飲料にも多く含まれています。
菓子類などのお砂糖の甘さがあるものだけでなく、糖質全体を意識し摂取量を減らしていくことを心がけましょう。
できる範囲から始めて、疲れにくい健康な体を作っていきましょう。
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