「団体長期障害所得補償保険」をご存じですか?勤務先を通じてのみ加入することができる保険です。
著者は地方中核病院に勤務する医師です。
突然病気やケガで働けなくなると心身へのダメージだけでなく、経済的な家計へのダメージもあります。会社勤めの人は公的保障も多くありますが、年収の多くて支出が多い人はそれでもまかなえないことがあります。働けなくなることは死亡よりも経済的なリスクが高いことです。大企業に勤めている人はGLTDを福利厚生に採用している可能性があります。
突然働けなくなった時の保険を知っておきましょう
毎日健康的に仕事をして、休日は余暇を楽しむというのは理想的なライフスタイルだと思います。そのようなライフスタイルがいつまでも続くといいですが、誰にでも病気やケガが突然襲ってくる可能性があります。
病気やケガの影響で働けなくなった場合にどう備えたら良いでしょうか?1つの方法としてGTLD (Group Long Term Disability: 団体長期障害所得補償保険)について知っておきましょう。
GTLD (Group Long Term Disability: 団体長期障害所得補償保険)
GLTDとは企業の従業員が病気やケガで長期間働けなくなったときの保険です。最長で定年まで、毎月の給与の減少部分の一部を補償する団体保険です。
公務員や会社員が加入している健康保険制度では業務外の事由による病気やケガで休業した場合に最長で1年6ヶ月、給与の約3分の2を傷病手当金として受け取れます。それ以降働けない場合は障害1級〜3級に認定されれば障害基礎年金や障害厚生年金を受け取ることができます。障害認定されない場合には、それ以降は主たる収入が断たれてしまいます。
この保険は企業の従業員に対する福利厚生の一環として設定されていることがあります。任意で上乗せして保険料を支払うことで、収入の減少幅を抑えることもできます。
今回はこの従業員が任意で支払う部分について考えていきます。
GTLDのメリット
ご自身がお勤めになっている職場でGLTD制度を導入しているかをまずは確認しましょう。
その場合、就業不能の状態になってしまったときに、加入者であれば毎月一定の保険金が給料のように支払われます。
就業不能状態は主に入院や自宅療養で全ての業務に従事できない状態を指します。ただし、精神疾患で就業できない場合は除かれていることが多いです。
細かな違いについては保険会社によって定義に多少の違いがあります。多くは病気やケガが原因で要介護状態が180日以上継続することや、障害1級や2級の認定、高度障害状態に陥ったなどの要件が必要になっています。
GTLDの特徴
GLTDの特徴は各契約でさまざまです。ここではGLTDについての一般的なお話をします。特に知っておきたい特徴は以下の9つです。
- 保険金の支給年齢は60歳や65歳など定年までの年齢によって区切られている場合と10年や20年など期間によって区切られている場合があります。
- 受け取る保険金は標準報酬月額のX%という場合と、一口X万円×口数という場合があります。
- 就業不能の状態から回復して復職でき、以前より収入が大幅に減っているときに所得の損失に応じた保険金を受け取ることができます。
- 特約で精神疾患を含むものがあります。
- 物価上昇時にそれを加味して保険金を増加させるプランもあります。
- 任意で支払う部分の保険料の算出は、標準報酬月額によって決定されている場合が多いです。また、団体保険の適用になり、保険料は割安です。
- 任意で支払う部分の保険料は各自のライフスタイルによって補償額を変更することができる場合があります。例えば、子どもが小さく教育費やローンがある場合は高めに設定、定年間近では低めに設定することができます。
- 支払った保険料は、生命保険料控除の介護医療保険料控除の対象になります。
- 医師、看護師から健康や医療に関する電話相談を受けられるサービスや、法律やファイナンシャルサポートなどの無料サポートが利用できるプランがあります。
GTLDに加入する際のポイント
GLTDに加入するためには、ご自身がお勤めの企業にどのような団体保険があるのか?自分はGLTDに加入できるのかを確認する必要があります。
福利厚生制度は普段からその企業のために一生懸命働いているからこそ受けられる恩恵です。もしも、お勤めの会社が用意してくれているのであれば、活用しない手はありませんよね!
生活に必要な費用は世帯ごとに異なります。必要な時期も異なります。加入時はご自身の関わるライフイベントを想像して、必要な時期に必要な額を考えてから加入するようにしましょう。
契約内容は保険会社ごとに異なっているのでしっかり把握してから、加入するようにしましょう。
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