体なたは大丈夫?知らないうちに「未病」の状態になってない?
病気を発症する前の状態のことを「未病」といいます。
もともとは中国医学から来た言葉ですが、病気を発症する前に治してしまうことを意味しています。
え、そんなこと出来るの?と思われるかもしれませんが、実は出来てしまうようなのです。
未病とは何か
未病の起源は中国医学で、病気を発症する前に治してしまうことを意味しています。日本未病システム学会では、未病は「健康から病気へ向かっている状態」とし、次のように定義しています。
【未病の定義】
- 自覚症状はないが、検査値に異常がある
- 検査値に異常はないが、自覚症状がある
健康な状態は、自覚症状もなければ検査結果に異常もありません。一方、病気の状態は自覚症状も検査結果にも異状が見られます。つまり、未病というのは「自覚症状と検査結果異常のどちかの有無」が鍵となっています。
生活習慣病と未病
生活習慣病という言葉を目や耳にしたことがある方は多いでしょう。この言葉は、特定の疾病を表したものではありません。生活習慣病は、食生活や運動習慣、喫煙、飲酒、休養といった生活習慣によって引き起こされる病気の総称です。生活習慣に関連する病気には次のようなものがあります。
《生活習慣が関連する病気》
- 心臓病
- 脳卒中
- がん
- 脂質異常症(高脂血症)
- 糖尿病高血圧
- 高血圧
- 肥満など
生活習慣が関連する病気は、少し前までは加齢とともに発症すると考えられていました。そのため、このような病気は「成人病」と呼ばれていました。
生活習慣病にはさまざまなものがあり、生活習慣の悪化が原因で症状が現れます。つまり、自覚症状や検査値が生活習慣の総称ということなります。
医療が進化する中でも、生活習慣病の患者数は増えています。これは、生活習慣病が食生活や運動不足などの生活習慣などと深い関りがあるからです。生活習慣病の原因を見極め、根本的に対処していく未病治療は生活習慣病から抜け出すことのできる方法です。
それでは、生活習慣病のイメージを見てみましょう。
【レベル1】
- 不適切な食生活
- 運動不足
- 飲酒や喫煙
- 過度のストレスなど
【レベル2】
- 肥満
- 高血圧
- 高血糖
- 高脂血など
【レベル3】
- 肥満症
- 糖尿病
- 高血圧症
- 高脂血症
【レベル4】
- 心筋梗塞や狭心症
- 脳出血や脳梗塞
- 糖尿病の合併症など
【レベル5】
- 半身麻痺
- 認知症
- 日状生活における支障
ポイントは日々の体調管理
「寒気がする」「のどが痛い」などといった自覚症状がある場合、早い段階でゆっくり休むことで体調が回復することがあります。反対に、症状が軽いからと無理をするれば悪化することは少なくありません。
同じように健康診断などの検査結果に異常がみられた時も、自覚症状がないからと放置しておいても良いことはひとつありません。体調の変化にはきちんと早めに対処していくことが大切です。
早めに体調の変化に気づくためには、日々の体調管理が大切です。特に生活習慣病は、風邪などとは異なり、急な症状の悪化や発症はありません。
それでは「血圧」を例にみてみましょう。
血圧は「最高血圧が130を超えたら高血圧」とされています。しかし、時間や環境などで血圧は常に変動しています。
これでは、健康診断の時に測った1回の「最高血圧が130を超えた・超えない」は、あまり意味がありません。
もしかすると、その時だけが130を超えたのかもしれませんし、気づかないうちに普段は140を超えている日もあるのかもしれません。
しかし、毎日血圧を測定している人でなければ、その違いはわかりません。
日々測定している血圧が、徐々に上がっているなどの変化に気づくことが大切なのです。
「未病」は、自覚症状を伴わない事があります。しかし、気が付かないうちに、重篤な状態に陥ることは避けなければいけません。そのためには体の変化を日々の計測習慣から把握するのがよいでしょう。自覚症状がなくても、計測をおこなっていれば、数値により変化を自覚することができます。
大きな病を引き起こす可能性が高い項目には、「血圧・血糖・尿糖など」があります。理想的な日常生活は、これらの数値を確認しながら過ごすことです。
未病を意識しよう
現代で、社会問題となっているのが「高齢者の介護」です。介護が必要となる原因は次のようになっています。
【介護が必要となった主な原因】
- 第一位 認知症
- 第二位 脳血管疾患(脳卒中)
- 第三位 高齢による衰弱
日本は諸外国と比べると、急激に少子高齢化が進んでいます。 そのため、高齢な方が一日でも長く健康で暮らせることが、健康寿命の増進させ、医療費の削減へと繋がります。日々「未病」を意識して、健康状態に気を配ることで、超高齢化社会に備えることもできます。
「病気なってから」ではなく、「病気になる前」に不調の原因を探りしっかりと対策すること、病気にならないことが大事なのです。
まとめ:発症前に治せるものは治しておこう
発症前に治す……そんな夢のようなことが!と思われたでしょう。しかし、少しでも調子が悪い時に気付くとか、健康だと思っても毎年健康診断を受けておくとか、「病気にならない努力」はできます。
将来、自分がどのような病気になるか分からない人でも、もしかすると両親が〇〇だった、親戚に▲▲の人が居たなど、身近な人の病気に「なるかもしれない」という意識を持っていれば、発症を予防することができるのです。
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