年々ガンの罹患者数や死亡者数が増加する日本において、男性では前立腺ガン、女性では乳ガンが最も罹患しやすいガンです。
特に女性の場合、2位の大腸ガンに大きな差をつけて圧倒的に乳ガンが多く、しかも他のガンよりも比較的若年層で発症しうるため、注意が必要です。
乳ガンは女性ホルモンの分泌量に依存して発症するため、より女性ホルモンに暴露された人ほど発症しやすいという特性があります。
また近年の食文化の欧米化に伴い脂質摂取量が増加していますが、脂質は女性ホルモンの原料でもあり乳ガン増加に拍車を掛けています。
そこで、日本では40歳以上の女性に対して公費助成で乳ガン検診を行なっています。
40歳未満の女性では、乳ガン検診による放射線被曝の可能性もあるため現在公費助成の対象にはなっていませんが、果たして乳ガン検診はいつから受けるのが理想的なのでしょうか?
本書では、20-30代における乳ガン検診の立ち位置などについて詳しく解説していきます。
<乳がんのリスクは40代から増加>
乳がんになりやすいのは、何歳くらいからですか?
乳ガンのリスクが増えるのは、一般的に40代からと言われています。 ただ乳ガンはいきなり現れるわけではなく、7~8年かけて徐々にしこりが大きくなり乳ガンになります。 そのため初期のうちに見つけるためには、30代から検診を受けてもいいかもしれません。
乳がん検診はどのようにして行うのですか?
まず触診は、市の検診を除くすべての人に対して行います。 触診だけの人もいますが、さらにエコーによる超音波検査かマンモグラフィ検査のいずれかを行うことがほとんどですね。
超音波検査とマンモグラフィ検査、どちらの検査を選ぶのがよいのですか?
40歳まではエコーによる超音波検査でいいと思います。 乳腺密度が濃い若い方は、マンモグラフィでしこりを見つけるのが困難です。 エコーでしこりの有無をしっかりと調べるのがいいでしょう。
<30代の乳がん検診は危険ではないが、やるならエコー検査を>
30代での乳がん検診が危険と言われるのは、このことと関係があるのですか?
検診が危険というのとは、違うかなと思います。 マンモグラフィ検査の放射線被ばくがあるため…と思っている方も多いようですが、ひと月に一度など頻繁に行わない限り、そこまでリスクがあるわけではありません。
では問題なく乳がん検診を受けてもいいのですか?
注意していただきたいのは、妊娠中や授乳中の検診です。 30代は出産をする女性も多いので妊娠中や授乳中などはマンモグラフィではなく、エコー検査を受けるようにしましょう。
そうなのですね。マンモグラフィは40代から行うことが多いのですか?
そうですね。 40代になると乳腺密度も低くなり、マンモグラフィでしこりを発見できる精度も上がります。 乳がんの初期サインである石灰化を見つけるのに優れているので、乳がんのリスクが増える40代から行うと安心だと思います。 エコーと併用して検査をする人もいますよ。
<しこりがある場合は相談や検診へ>
健康診断による乳がん検診以外で、乳がんの可能性があるので検診に来た方がいいという症状はありますか?
自分で乳房を触ったときに、しこりがある場合です。 一度、婦人科に相談に来ることをおすすめします。 胸に痛みがあり来院される方もいますが、痛み=乳がんということは少ないと思います。
自宅でできるセルフチェックはありますか?
触診です。 毎日、乳房を触ってしこりがないか確かめてください。 入浴後など、毎日同じコンディションのときにやることが重要ですよ。
若いうちから乳がん検診を受けたほうがいい人はいますか?
家系に乳がんの方がいる人は、若いうちからの検診をおすすめします。 またホルモン補充療法などホルモン治療を行ったことのある人も、乳がん発症リスクのあるエストロゲン濃度が高くなる場合があるため注意したほうがいいと思います。
その場合、どのくらいの頻度で検診を受けたらいいのですか?
しこりがあるかも…など思い当たることがない限り、通常の健康診断と同じペースで大丈夫です。 あまり神経質になりすぎて、気に病むのもよくないですよ。 不安に思うことがある人は無理をせずに、20代のうちから相談に行ってみてください。
まとめ
本書では、いつから乳ガン検診を受けるべきかなどについて詳しく解説して行きました。
公費助成は40歳以降からですが、30代でも乳ガンを発症する可能性はあるため、気になる人は検診を行うべきです。
またその場合、30代であれば被曝や検査精度の観点からマンモグラフィ検査よりもエコーによる超音波検査をお勧めします。
逆に40代以降であれば、マンモグラフィ検査、もしくは2つの検査の併用が好ましいです。
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