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デジタルヘルスや次世代検査で発覚したリスク。保険の加入にはどう影響?

今やスマートウォッチで睡眠の質を把握し、尿1滴でがんのリスクがわかる時代になりました。

こうしたデジタル技術や検査技術の発展により、病気の早期発見や予防対策、健康管理がしやすくなってきています。

 

便利になる一方で気になるのは、保険の加入に関する影響です。

 

「スマートウォッチの睡眠計測により、睡眠障害がわかったら?」

「気軽な気持ちで受けた検査により、がんのリスクがわかったら?」

 

この場合、もう保険には入れないのでしょうか?

 

今回は、急速に進展するデジタルヘルスや次世代検査が保険加入にどう影響するのかを解説します。

健康管理はここまで進化している

 

現在の健康診断や医療機関での各種検査は、主に病気を発見することが目的です。

 

しかし近年はデジタル技術や検査技術の発展により、健康管理は「病気」の一段階前の状態である「未病」を簡単に発見できるようになりました。

このまま未病の発見が浸透していけば、いずれは健康診断や保険加入時の告知書、審査の基準も変わる可能性があります。

 

ここでは、スマートウォッチに代表されるデジタルヘルスの進化と、がんリスク検査に代表される次世代検査の進化について見ていきましょう。

 

 

 

【進化の例①】デジタル技術を活用したデジタルヘルス:

デジタル技術を活用し、医療、健康、介護領域の質や効率を高めることを「デジタルヘルス」と総称します。

デジタルヘルスのわかりやすい例が、スマートウォッチや活動量計を含むウェアラブルデバイスです。

 

身体の一部にデバイスを装着するだけで、以下の身体情報を取得できます。

 

・取得できる情報:日々の運動量、歩数、血中酸素、脈拍、心拍数、血圧、消費カロリー、睡眠データ、ストレス度合いなど(※デバイスによって取得できる情報は異なる)

 

極端なストレスや睡眠の質の低下が積み重なれば、精神的な病気になる、急激に体調が悪化するといった異変が起きてもおかしくありません。

 

しかしウェアラブルデバイスで継続して各種情報を測定しておけば、本格的な病気になる前に身体の不調=「未病」に気付き、自身で仕事の量や生活習慣を見直そうという意識が働きます。

ウェアラブルデバイスで健康状態を可視化することで、将来の病気予防や健康の維持がより手軽になっているのです。

 

 

 

【進化の例②】次世代の検査・診断:

尿や唾液、汗や潜血といった生物的指標を活用し、小さな健康リスクを測定する次世代検査も進化しています。

 

たとえば、尿1滴でがんのリスクを発見する「線虫」によるがん検査や、唾液によってがんのリスクを発見する検査方法など。

わずかな検体を提出するだけでがんのリスク因子を見つけられるため、注目されています。

 

医療機関で受けるがん検診と違い、現時点で次世代検査は医療行為ではありません。

しかし、このまま検査の認知度が高まり、検査がより一般に浸透していけば、医療機関の検査よりもカジュアルに検査を受ける人が増える可能性があります。

 

すでに一部の企業では、尿からがんのリスクを判定する線虫がん検査を取り入れているそうです。

 

 

進化した技術や検査で発覚した健康リスクは保険加入にどう影響する?

 

ウェアラブルデバイスで取得する細かな身体情報や健康情報、次世代検査でわかるがんの潜在リスクなどは、保険加入にどう影響するのでしょうか。

 

2023年時点では、ウェアラブルデバイスのデータ解析や次世代型の検査・診断は医療行為ではありません。

睡眠状態やストレスの悪化状態、そしてがんのリスク検査でわかるがんリスクは、病気になるという証明ではないからです。

 

そのため保険会社の告知書では、ウェアラブルデバイスや次世代検査といった「非・医療行為」についての告知項目はないケースがほとんどです。

告知項目になければ告知する必要がないため、保険会社にリスクが発覚して保険加入を断れる、という可能性は低くなります。

 

ただし、保険会社や商品によっては、民間の検査も含めてあらゆる検査結果を告知書に書くよう求めていることがあります。

検査項目や保険会社によっては、加入が難しくなる可能性もあることは覚えておきましょう。

 

読者の中には、「リスクがわかったので医療機関で検査を受ける前に保険に入っておきたい」と思う人がいるかもしれません。

しかし病気のリスクが発覚した場合には、医療機関で精密検査を受けることが大切です。

 

病気の早期発見や予防するための検査なのに、保険加入のために医療機関の受診を遅らせ、病気の進行が悪化してしまっては本末転倒ではないでしょうか。

万が一リスクが発覚したら、いち早く医療機関で検査することをおすすめします。

 

 

まとめ

 

デジタルヘルスや次世代検査が進化し、あらゆる健康リスクや病気の一歩手前である未病を見つけやすくなっています。

 

将来的には、蓄積された個人の健康情報・身体情報に基づいた医療行為が行われるようになったり、がんリスク検査が会社の健康診断項目に含められたりするかもしれません。

そうなれば、保険の加入時における告知や保険の査定、また保険金受け取りにも影響が出てくる可能性はあります。

 

医療の進歩と保険の加入・受け取りは、切り離して考えることはできない関係があるのです。

 

実際に、過去においては想定し得なかった医療の進歩によって、保険金受け取りに影響が出ている人は少なくありません。

その一つの例がこちらのコラムで紹介されている「上皮内がん」に関連する受け取れない事例です。

 

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【なぜ受け取れない?】 がんに罹ったら一時金を受け取れると聴いていたはずなのに!

 

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