金額を知りたければ「平均値」より「中央値」を確認!ところで2つの違いは?
老後に年金がいくらもらえるのか気になる人は多いのではないでしょうか。
この記事では現在の年金受給水準がどのくらいなのか、実際の調査データから確認してみましょう。
国民年金(老齢基礎年金)の受給水準
まずは、老後の年金のベースとなる老齢基礎年金の受給水準をみていきましょう。
厚生労働省がまとめている「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2020(令和2)年度の老齢基礎年金の平均年金月額は5万6,252円です。
男女別平均では、男性が5万9,040円、女性が5万4,112円で、男性のほうが約5,000円多くなっています。
老齢基礎年金の年金月額階級別の分布は、下表の通りです。
【老齢基礎年金 年金月額階級別の分布】
※令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省年金局をもとに筆者作成
年金月額の平均値は5万円台ですが、中央値※は6万円台にあります。
※中央値とは……データを大きい順に並べたときに中央に位置する値のこと。
分布からは半数近い人が6〜7万円台の年金を受け取っている一方で、それ以下の年金額しか受け取れていない人も多いことがわかります。年金額6万円以下の人の割合は、女性のほうが高くなっています。
厚生年金(老齢厚生年金)の受給水準
続いて会社員や公務員など、現役時代に厚生年金に加入していた人が受け取れる老齢厚生年金の受給水準です。ここで示す金額には国民年金(老齢基礎年金)が含まれています。
同調査によると、2020(令和2)年度の老齢厚生年金の平均年金月額は14万4,366円です。
男女別平均では、男性が16万4,742円、女性が10万3,808円。男性のほうが約6万1,000円多く、老齢基礎年金に比べて男女格差が大きくなっています。
老齢厚生年金の年金額は、現役時代の報酬額に応じて年金額が計算される仕組みです。男女間の収入格差や、出産・育児などでキャリアが中断しやすい点などが、年金額に如実に現れているといえます。
老齢厚生年金の年金月額階級別の分布は、下表の通りです。
【老齢厚生年金 年金月額階級別の分布】
※令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省年金局をもとに筆者作成
分布からも男女でピークが明確にわかれており、年金額の男女間の年金格差が読み取れます。
年金月額の中央値は全体が14万円台、男性が16万円台、女性が10万円台にあり、おおむね平均値と一致しています。
平均値や中央値はあくまで目安
実際に受け取れる年金額は、受取時までの各自の加入実績に応じて変わるほか、受取時の賃金や物価の水準に応じて調整されます(年金額改定、マクロ経済スライド)。
今回示した数字は、現在年金を受け取っている人のデータであり、あくまで年金水準のイメージを持つための参考としてご覧ください。
年金額改定、マクロ経済スライドについては、次の記事で解説しています。
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