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税金や公共料金の支払いは延長できない?支払いが困難なときに知っておきたい情報

新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した人は、2020年4月に創設された「納税猶予の特例」などにより、納税や公共料金の支払いが猶予されました。 

 

2022年現在、多くの猶予制度はすでに終了しており、猶予されていた支払いが始まっています。 

 

会社員の場合、所得税や住民税は給与から天引きされているため、税金が払えないことはないでしょう。しかし、自動車税や電気代、ガス代等の公共料金は自身での支払いが必要なことから、払えない状況に陥るかもしれません。 

 

そこで本記事では、税金や公共料金が払えないときの対策や、福祉資金の貸付制度などを解説します。「税金や公共料金の支払いがキツイ」という人は、参考にしてみてください。 

税金や公共料金が払えないとどうなる?電気は止まり財産が差押えされることも

税金や公共料金を支払わないと、どうなるのでしょうか。ここからは、税金を滞納したまま放置した場合と、公共料金を50日間滞納した場合について、それぞれ解説します。

税金を滞納したらどうなる?財産が差し押さえられる可能性大

税金を滞納したまま放置していると、20日以内に税務署から督促状が送付されます。督促状が届いても税金を払わないと、給与口座が凍結されます。それでも納付しない場合は、財産の差押えなど滞納処分が行われるという流れです。

 

税金が払えないと分かった時点で、その旨を国税局電話相談センター等へ相談することをおすすめします。なお、滞納した部分については、延滞税というペナルティーが課され、納付すべき税額よりも多く納付することになるので十分に注意してください。

自動車税を滞納すると車検に通らなくなる

自動車税を滞納した場合は、延滞税が課されるほか、車検に通らなくなります。車検は2年ごとに行われますが、車検の際に「車検証」と「自賠責保険証」、「自動車税納付証明書」を提出する必要があるからです。

 

自動車税を支払わないと「自動車税納付証明書」が発行されないため、車検が受けられなくなります。また、他の税金と同様に、滞納したままにしていると、財産の差押えなどの可能性が生じます。

電気代やガス代等の公共料金が払えない場合はいつ止まる?

電気代やガス代等の公共料金は、検針日の翌日から30日以内を支払期日としています。30日の支払い期日を過ぎても支払いがない場合は、送電停止前通知という最後通告が届き、検針日から50日を期日として送電が停止されるという流れです。

 

電力会社によっては、支払えない事情に応じて送電停止を延長してもらえる場合があります。電気が使えないことで命に関わる人が在宅しているなどの場合は、電力会社へ相談の問い合わせをしてみましょう。以下のような事情がある場合は、相談することができます。

  • 生活保護を受給中、または生活保護法の適用を申請中
  • 障害のある人が家にいる
  • 生命の維持に電気の使用が必要な在宅医療者がいる
  • 火災等の不慮の事故や重い疾病で一時的に支払いが困難
  • 高齢者で一人暮らしをしている
  • 昼間に小学生以下の子どもが在宅している

税金が払えないときは猶予制度を確認しよう

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた人や、災害や盗難により財産を損失した人は、国税の猶予制度が利用可能です。猶予が認められれば、原則として1年間納税が猶予されるほか、猶予期間中の延滞税が年8.7%から年0.9%に軽減されます。

 

猶予制度には、納税や換価(売却)が猶予される「換価の猶予」と納税の猶予に加え、延滞税が軽減または免除される「納税の猶予」があります。なお、会社員は猶予制度の対象外です。

換価の猶予とは|財産の売却や差押えの猶予

換価の猶予とは、原則として1年間納付を猶予し、猶予期間中の延滞税が年8.7%から0.9%に軽減(令和4年における延滞税の軽減)される制度です。

 

収入が減少し、国税を一括で納付することにより、事業継続または生活の維持が困難であるときに、納期限から6か月以内に申請すれば適用できる制度です。

 

次の1から5までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があります。下記の「申請による換価の猶予」のほか、税務署長の職権により換価の猶予が認められる場合があります。

  1. 国税を一時に納付することにより、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
  2. 納税について誠実な意思を有すると認められること。
  3. 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
  4. 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。
  5. 原則として、担保の提供があること。

 

■担保の提供とは

猶予の申請をする場合は、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。ただし、次のいずれかに該当する場合は、担保を提供する必要がありません。

  1. 猶予を受ける金額が100万円以下である場合
  2. 猶予を受ける期間が3か月以内である場合
  3. 担保として提供できる種類の財産がないといった事情がある場合

納税の猶予|差押えと納税の猶予

納税の猶予は、換価の猶予と違って、延滞税の免除が受けられる場合があります。納税の猶予とは、原則として1年間納付が猶予されるほか、猶予期間中の延滞税が年8.7%から年0.9%に軽減または免除される制度です。

 

次の1から4までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、納税の猶予が認められる場合があります。担保の提供については、「換価の猶予」と同様です。

 

1.次の①から⑥までのいずれかに該当する事実があること。

  1. 財産について、災害または盗難にあった
  2. 納税者や家族が病気または負傷した
  3. 事業を廃業または休業した
  4. 事業について著しい損失を受けた
  5. 上記の①から④に類する事実があった
  6. 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定した

2.猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること

3.申請書が提出されていること(上記1⑥の場合は納期限までの提出)。

4.原則として、担保の提供があること。

公共料金が払えないときは福祉資金の利用を検討しよう

公共料金や家賃といった生活費が払えないときは、厚生労働省が実施する「生活福祉資金の特例貸付」の利用を検討しましょう。

 

生活福祉資金の特例貸付では、生活費が必要な場合に最大20万円まで貸与が受けられる「緊急小口資金」や、住居を失うおそれがある場合に6万9,800円(月額)を上限に家賃額が支給される「住宅確保給付金」といった制度が設けられています。ただし、利用するためには、収入要件や資産要件(預貯金等)、求職等要件を満たすことが必要です。

 

生活に困ったとしても、公的扶助制度によって生活費を準備することもできます。カードローンやキャッシングはあくまで、最後の手段です。

まとめ:支払いが難しいときはまず相談しよう

イベントや病気により出費がかさんでしまうと、簡単に利用できるカードローンやキャッシングの利用が頭によぎるのではないでしょうか。

 

しかしカードローンやキャッシングは金利が高く、返済期間が長くなるほど返済負担が増えていく仕組みになっています。安易に借りることはおすすめしません。

 

まずは行政の相談窓口を利用しましょう。収入が減少したなど相応の理由があれば、国税庁の「換価の猶予」や、厚生労働省の「生活福祉資金の特例貸付」といった制度が利用できます。国の制度に詳しい専門家に相談してみると、自分では気づかなかった方法を提案してくれるかもしれません。

 

エピローグ もし、このようにお考えなら

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