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「酔っ払い」 × 「スモーカー」=ガンの発症率急上昇!ってホントなの?

 

成人男性の喫煙率は近年減少し続けていますが、諸外国と比べると未だに高い水準にあり約1400万人が喫煙していると報告されています。

さらに成人女性の平均喫煙率は昭和41年のピーク時からほぼ横ばいです。

 

また生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は、男性が14.9%、女性が9.1%であり、女性では増加傾向がみられます。 

このように飲酒や喫煙は未だに多くの成人が好む嗜好品であり、特に女性ではここ何十年も喫煙率や飲酒率が改善していないことが分かります。

 

しかしここ最近、愛知県がんセンターなどの研究によって、飲酒・喫煙の組み合わせにより食道ガンの罹患リスクが上昇すること明らかになりました。

 

なんと、飲酒と喫煙の両方がある場合、食道ガンの発症リスクは最大で17倍に上昇し、その一方、どちらか片方を止めただけでも、食道ガンの発症リスクを6割程度下げられることも示されたのです。

 

そこで本書では、食道ガンと飲酒や喫煙の関係性を詳しく解説し、我々が取るべき対策についても解説していきます。

 

<最もタチの悪い食道ガンとは?>

 

 

食道ガンとはその名の通り、食道に発生するガンのことです。

食道は口から連続して食べ物や飲み物を届ける管のような器官であり、最終的には胃へと到達します。

 

食道の発ガンについて明確な原因は不明ですが、強い酒、タバコ、熱湯、粥などの刺激物を好む人に多く発生する傾向にあります。

また近年の研究結果により、アルコールを分解した際に発生するアセトアルデヒドと呼ばれる成分が食道ガンの発症に大きく関わっていることが判明しています。

 

飲酒率や喫煙率が高いことから男性の方が女性の6倍ほど罹患率が高く、高齢化の影響の除いた年齢調整罹患率も増加傾向にあります。

食道ガンを発症すると喉のつかえ感や嚥下障害、つまり飲み込みに影響が出やすいですが、早期にはほとんど症状を認めないため進行してから発見されることも珍しくありません。

 

また厄介なことに、食道ガンは消化管のガンの中でも最もタチの悪いガンであり、同じ消化管のガンである胃ガンの5年生存率が65%、大腸ガンがおおよそ70%であることに対して、食道ガン全体の5年生存率は約37%であり、いかに食道ガンの治療が難しいかが分かります。

 

それに加えて、食道は他の消化管と異なり壁が薄く、臓器周囲を覆う外膜もないため、ガンが周囲に浸潤しやすく、転移や播種を引き起こしやすいという特徴があります。

 

これらのデータからも分かる通り、食道ガンは非常にタチが悪いガンと言えます。

そこで、いかにして発症リスクを抑え込むかが対策の上で重要になってきます。

 

<食道ガンの主な発症リスクとは?>

 

 

前述したように、食道ガンの明確な原因は不明ですが、強い酒、タバコ、熱湯、粥などの刺激物がリスク要因と言われています。

実際に愛知県ガンセンターなどの研究によって、飲酒・喫煙の組み合わせにより食道ガンの罹患リスクが上昇すること明らかになりました。

 

この研究では、計16万2826人の男性を平均12.6年追跡し、954例の食道ガンの発生が確認されました。

またこの集団の飲酒率は78.5%、喫煙率は60.6%であり、明らかに平均よりも高い割合を示しています。

 

この研究結果を解析したところ、飲酒も喫煙もしない人に比べ、飲酒者では2.76倍、喫煙者では2.77倍、食道ガンの発症リスクが上昇することが明らかになりました。

 

驚くべきことに飲酒と喫煙の両方がある場合は、食道ガンの発症リスクは8.32倍、最大で17倍にまで上昇し、飲酒と喫煙の組合せにより食道ガンの発症リスクが高くなることが示されました。

 

さらに、飲酒量と喫煙量を3段階で評価した結果、飲酒量がエタノール換算で23g以下、かつ喫煙をしない人に比べ、飲酒量が46g以上で喫煙が40パックイヤー超の人の食道ガンリスクは16.8倍となり、組合せによってリスクが大きく上昇することも確認されました。

 

これは、飲酒と喫煙の交互作用によるものです。

交互作用とは、病気の原因となる要因が複数あるとき、それぞれの原因同士が病気を起こす作用を強め合う現象のことです。

実際のリスクが単独のリスク同士を足し算したより大きい場合を相加的交互作用があると言い、単独のリスク同士をかけ算したより大きい場合を相乗的交互作用があるとしています。

 

その一方で、飲酒か喫煙のどちらか片方を止めただけでも、食道ガンの発症リスクを6割程度下げられることも示されたのです。

具体的には、日本人男性の食道ガンの80%は禁酒と禁煙により予防可能であり、禁酒だけでも60%、禁煙だけでも55%、それぞれ食道ガンを予防できることが、人口寄与危険割合から推測されました。

ちなみに人口寄与危険割合とは、もしも特定の原因がなかったら、どれだけ病気を減らせるかを示した指標のことです。

 

そもそも飲酒と喫煙はそれぞれが多くの病気の原因になり、食道ガンの主要な原因でもあることはこれまでの世界中の研究で裏付けられています。

飲酒によるアセトアルデヒドの蓄積や、タバコに含まれる発ガン性物質による直接的な食道粘膜の損傷により、食道ガンの発症リスクが増加していると考えられます。

 

では、日本人の飲酒や喫煙の現況はどうでしょうか?

成人男性の喫煙率は27.1%と近年減少し続けていますが、諸外国と比べると未だに高い水準にあり約1400万人が喫煙していると報告されています。

さらに成人女性の平均喫煙率は7.6%であり、昭和41年のピーク時からほぼ横ばいで推移しています。

 

また生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は、男性が14.9%、女性が9.1%であり、女性では増加傾向がみられます。 

 

以上のことから分かる通り、飲酒や喫煙は未だに多くの成人が好む嗜好品であり、特に女性ではここ何十年も喫煙率や飲酒率が改善していないことが分かります。

データだけ見ると、今後は男性のみならず女性でも食道ガン罹患率が増加してくる可能性が予想されます。

 

こういったデータがある中で、我々が取るべき対策とはどんなことがあるでしょうか?

 

<食道ガンに対して我々が取るべき対策とは?>

 

 

これまでのデータから分かる通り、飲酒や喫煙がそれぞれ食道ガンの発症リスクを増加させているのは明らかです。

そこで、当然ですが飲酒や喫煙を控えることが1つの予防策になり得ます。

 

また、現在日本では自費であれば食道ガンの検診を受けることも可能です。

胃内視鏡検査やバリウム検査を行うことで、自覚症状に乏しい早期食道ガンも発見可能であり、非常に有用な検査だと思います。

 

前述したように食道ガンは非常に治療の選択肢が少なく、進行すると死亡率も高くなってしまうガンであるため、早期発見、早期予防を心がけることが最も適切な予防策と言えます。

 

まとめ

このように近年は医療の発達が目覚ましく、世界では最先端技術を用いた新しい食道ガンの治療法も開発されています。

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